龍柱様はハイスペック！【続】 (ページ2)

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伍拾ページ2

数メートル前に現れた一つ影

『お前が最近村ばかりを狙っている鬼か』

鬼「あァ？なんだお前、柱かぁぁ？」

俺は刀を構えた

月光りに照らされて、俺と鬼の姿がハッキリと映し出された

『…お前はッ…！』

鬼「…あの時のガキかァぁ…？」

やっぱりあの日、俺の村を、征也を殺した鬼だった

鬼「おまえ、お前お前ぇ！！あの日は決して忘れないぞぉ！」

俺だと認識した瞬間、鬼は荒れ狂ったように怒り出した

怒り出したいのはこちらだというのに

『……』

鬼「あの時はよくも俺様の食事の邪魔をしやがってなぁぁ…！許せねぇ、許せねぇ許せねぇ！！お前だけは、喰い殺してやる！」

『龍の呼吸壱ノ型龍の舞』

俺はギャーギャーと喚く鬼の頚を落とした＿

はずだった

『…！(外したかっ！)』

やはりこの強い気配からして、一筋縄ではいかないようだ

『おい、一体何人喰った？』

鬼「そんなの、いちいち覚えてねぇぇなぁぁぁ？お前が豚や牛を食らった回数を覚えていないように、俺にとっちゃテメェら人間はただの食料だぁ！」

『そうか』

覚えてない程喰ったんだな

俺は地面を蹴って鬼へと突っ走った

鬼「テメェなんかに殺せねぇぇよ！」

刀で斬ろうとするも、爪によって弾き飛ばされてしまった

『…！』

爪で顔をえぐられそうになるのをギリギリで避け、元の位置に戻る

『(コイツのさっきの弾き飛ばした時の強さ…上弦に匹敵するんじゃないのか？)』

俺は舌打ちをした

『龍の呼吸弐ノ型蛟龍』

一瞬のうちに間合いに入って、頚を簡単に斬れないのなら、まずは手足や胴を斬ってやる

ザシュッと音がして、鬼の両腕が宙に舞う

鬼「ガ、ァっ！？」

『…斬れないことないじゃねぇか、よ！』

そのまま足を切断して後ろに戻った

鬼「ぐ、ぅぁ"…痛い、痛いじゃねぇかぁ！！」

『い"、っ…！？』

鬼が叫んだ瞬間、何も無かったはずの背後から爪で引っかかれたような痛みが背中に走った

鬼「殺してやる！！」

『…分裂、したのかッ！？』

素早く後ろに下がり体制を立て直すも、目の前には同じ鬼が二匹

『(血鬼術かっ！)』

分裂した方には頬に壱と刻まれていた

『(壱？ということは…一体どこまで分裂できるんだ！)』

分裂すると強さは低くなるのか？いやでも先程の攻撃はかなり強かった。二匹だから力が半分になるなんていうことじゃないのか

『(強さがそのままで分裂？限界はあるだろうけど、これじゃ部が悪すぎる！)』

とにかくまず分身を斬ろう

俺は地面を蹴った