＜名探偵コナン＞降谷零の兄は今日も悪夢を見る

13、番外編 ページ13

Noside

今、彼 透夜は窮地に陥っていた

『本当に、言わなきゃ、ダメ…ですか？』

優作「約束だからね」

有希子「透夜君に母さん♡って呼ばれるなんて嬉しいわ〜」

どうしても言いたくないというオーラを醸し出す透夜

しかし言わせる本人たち、優作と有希子はそんなオーラなど知らんぷりでじりじりと迫ってくる

頼りになりそうな新一もあきらめろと口パクで伝えてくる

『ううー』

新一「何でそんなに嫌がんだよ」

『もう長いこと口に出していなかったからね、』

少し恥ずかしいんだ。そう言って袖で口元を隠す姿はとても愛らしい

新一「俺の兄さんなんだから、母さん達もちゃんと呼ばないと」

『そうなんだけど、ね』

いつまで経っても言いそうにない透夜にしびれを切らした有希子は何か思いついた顔で近づく

透夜も近づいてきた有希子に気付きそちらを見る

しかし有希子の顔を見て恥ずかしそうにしていた顔が焦りに変わった

有希子の瞳には涙が浮かんでいたのだ

『ゆっ有希子さん？』

有希子「ごめんなさいね、無理いっちゃて」

そう言い微笑みながら涙を拭き取る有希子

流石に透夜も涙には勝てなかったのか唸りながら口を開く

しかし、新一たちは分かっていた

これが全部演技なことを、大女優の演技力をなんてところに使うんだと思ったが止めはしない

透夜は演技ということに気付かず本気で心配している

『一回、だけですよ』

そう言い放ち顔を熟した林檎のようにし父さん、母さんと呼ぶ姿はとても可愛らしい

しかし当の本人は恥ずかしさで蹲って顔を膝にうめてしまう

だが満足したのか有希子と優作はにこにこと笑いあって

可愛かったねー、と話し合っている

新一はこの両親たちは…とため息をついてその様子を眺めていた

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