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定時を知らせる鐘が鳴り、私は我先にと鞄を手に職場を後にした。
『早くしないと…っ !!』
何故私がこんなにも急いでいるのかというと…
『…あ、あった !!限定のミーちゃんケーキ !!』
そう、私は1日50個限定のケーキを求めて全力疾走してきたのだ。
毎日午後5時から50個限定で販売されるこのケーキは、最近駅前にオープンした人気店で、普段から沢山のお客さんで賑わっている。
加えて国民的人気キャラクターである猫のミーちゃんをイメージして作られたもので、この時間なら日が暮れ始め夕飯の支度が始められる頃だが、まるでスーパーのタイムセールのように沢山の人が押し寄せるので、中々買う事は出来ない。
息を切らしながら目的の場所へ着けば、"最後尾"と書かれた看板を持つ店員の元へ向かい、そのまま列に並ぶ。
『本日のご用意分、全て完売致しました___』
私が列へ並んだ瞬間、完売を知らせる声が響き渡る。
『ありがとうございました__』
念願のケーキを手に入れ、今すぐにでも食べたい所だが、私はその気持ちをグッと堪え家路についた。
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作者名:紫雨 | 作成日時:2018年6月6日 15時