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「……」
一歩部屋に入った瞬間、周りがざわめいたのを感じた。
誰も居ないのに、誰かいる感じ。それも、沢山いる。
「どうかした?」
「…いや…凄いね…こんなに沢山…」
部屋の壁にはいろんな絵が飾ってあって、棚やテーブルも、埋まるくらいに粘土の動物や大小いろんな人形が飾られてた。
「ぜんぶ、光がつくったの?」
「そうだよ。」
「すごいね、なんだか…生きてるみたい…」
絵の中の人も動物も風景も、今にも動きそう。人形の表情も本当に人間みたいだ。
「そう言ってくれると嬉しいな、へへ」
「天才芸術家…」
「やめてよ。薮だけだよそんな風に言うの」
「でもこんな素敵な絵、みんな欲しがりそう」
俺のあの狭い部屋にも、こんな絵が一個でもあれば、きっとずっと眺めていられた気がする。
光は小さく笑って、ダメなんだって呟いた。
「手放せないんだよね。欲しいって言ってくれる人は今までも居たけど…どうしても…」
「………」
「そばに置いておきたくて…ダメだよねこんな芸術家…」
そんなんじゃ食べていけないのに、って。
そうなんだ…こんな作品に囲まれているなら、それだけでも幸せな気がするけど。
「お陰でそろそろ置き場所も無くなってきちゃったんだ。でも捨てられない…」
「…好きなんだね」
「うん。どれも大事…。あっそうだ!ゆうとだユウト」
光は優しい目で作品を眺めてた。
彼が喋る度に、どこからかクスクス笑う声が聞こえてた。嬉しくて、笑っちゃうような、こぼれる笑い声。
なんだかこの部屋は温かい。
やっぱり俺の思ってた通りだった。
光が作ったものは、きっとあのカボチャみたいに喋ったりできるんだ。
きっと心を込めて作られてるから。
大事にされてるから。
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はな(プロフ) - 返信遅れてごめんなさい(><)ありがとうございます!!!何よりうれしいです!!好き勝手書ていますが、ちゃんとハッピーエンドになるので、どうかこれからもよろしくお願いします! (2018年11月1日 1時) (レス) id: 9619f20ec7 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプlove - とてもこの作品好きで何度も読んじゃってます!続き凄く凄く楽しみにしてます!待ってます♪ (2018年10月30日 17時) (レス) id: 1b7715a916 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2018年10月16日 12時