包帯と獣

・ ページ21

喋る人形って、あれに似てる。
喋るカボチャ…

人間だから、あのカボチャの声聞こえないんだ…
昨日も言ってたよね。自分が作ったものが喋るのを見たいって。
喋ってたって教えてあげたいけど、俺が化け物だってバレちゃうのかな…

あ…もしかして…


｢人形をつくってるの？芸術家さん｣

｢ふふ、なにそれ。光でいいよ。あ、こいつのことも博士！とか呼ばなくていいからね。変人とか、変態とか…｣

｢ひどいだろそれ！｣

｢あーもう薮でいいよ薮で。｣

｢やぶ…｣


呟いて博士を見たら、気に入った呼び方でどーぞって言ってくれた。


｢光の作った人形…見たい｣

｢お！ほんとに？｣

｢うん…｣


だってもしかしたら、カボチャと同じかも。


｢あ、でもキミもう見てるよ｣

｢？？どこで？｣

｢昨日見たでしょ？取れちゃった腕｣

｢あぁ！｣

｢あれはユウトの腕なんだ｣


昨日取れてびっくりしたやつ。あれ、人形の腕だったのか。


｢ちょうどあの腕をつけて完成だったんだ。おいで、見せてあげる｣


さっきまで薮と喋って不機嫌だった目がキラキラしてた。ほんとに好きなんだ、自分の作ったもののこと。



ガチャッてドアを開けて、はい到着！って、


｢え、隣の部屋？？｣

｢そうだよ。こっちの部屋は俺のアトリエ｣


あっちの部屋はあいつの研究室
真夜中にガチャガチャうるさいんだよね

ブツブツ言いながらも笑ってた。
この二人も、大ちゃんとゆうりみたいに仲良しなんだ。

・→←天才芸術家

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す