千秋さん！私、アイドル嫌いなんで！ (ページ14)

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12:数年後ページ14

あれから半年後、Aはマスコミに追われ続け、結果的に学校を辞めてしまった

俺は、Aが最後に残した言葉を思い出す

『私、今日で学校辞めることになったの…』

｢え、そうなのか！？｣

『相変わらずうるさいな………声でかすぎ！』

｢ご、ごめんなさい｣

『私、アイドルなんて嫌いだから……夢ノ咲学院にいる必要も無いし……？』

｢そ、そうか……これからどうするんだ？｣

『適当に生きるよ！普通に働いて普通に生きる。芸能界なんて死んでも入りたくないし！』

Aに告白できないまま、別れることになってしまった

『ねぇ、千秋さん！私、アイドル嫌いなんで！だからアイドルの応援はしないけど、千秋さんは私のヒーローだから、流星レッドのことは応援してるよ！』

最後にAが言ってくれた言葉を胸に、俺は流星隊のリーダーとして活動してきた。

スタプロに入社して3年、今日は流星隊の握手会だ

今日も元気に！明るく！笑顔で！がんばろー！

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夢ノ咲学院を自主退学して何年か経つ。

私は家庭内環境が悪い子供や虐待を受けたり捨てられた子供を育てる施設を作り、施設長として何人かの従業員と共に子供たちを育てている

子供たちがヒーローごっこしてるのをみると、千秋さんを思い出してしまう。

今でも親のことは忘れられない。今もどこかでのうのうと生きているのだろう。

アイドルも親も……二度と好きにはなれないけれど、千秋さんを思い出すと、苦しくなる

千秋さんと会えなくなって、私は千秋さんが好きだったのだと気付いた。

スタプロに入った流星隊はますます人気になり、今はアイドル業界を引っ張るユニットのひとつになっている。

もう、手の届かない人になってしまったのだと悲しくなる。せめて、もう一度だけ会いたい。そう思った

ネットで流星隊と調べると、3日後に握手会があるようだった。少し高いけど、チケットが余っていたので買った

3日後、握手会に向かうと、大勢のお客さんで行列ができていた。

列のあちこちから黄色い歓声が上がっている。

｢千秋君、やっぱり王道イケメンだよね～｣

｢高峰君、めちゃ高身長すぎー！｣

｢忍君ちょー可愛い！｣

あちこちから聴こえる歓声を聞きながら、千秋さんの列に並ぶ。

千秋さん、私の事覚えているかな？