12話 ページ13
｢……おふろ、はいるか｣
｢は、い｣
一通り満足したのか、キヨさんは私から離れた。私は体を全く動かせない。汗がべとべとして気持ち悪くて、キヨさんの言葉には賛成だが。
｢からだ、うごかせません｣
｢はは、だろうな｣
タオルを持ってきたキヨさんは、私をタオルに包んでくれた。そのまま抱き上げてくれる。
｢ん、………｣
｢かわいいなぁ｣
されるがままに彼の胸に頭を預ける。キヨさんはそのまま風呂場まで運んでくれた。
かわいい、の言葉に照れる暇もなく、そのまま暖かいシャワーをあてられる。
｢ありがとう、ございま、す｣
ベトベトした汗が流されて、少しすっきりする。キヨさんもそのまま入って、私の頭にお湯をかけた。
キヨさんの家はそこそこ大きいが、一人暮らしなのもあり風呂場は結構小さかった。
そのため、必然的にくっついてしまい、彼の肌が直に触れて、心臓がまたドキドキした。
｢頭洗うぞ｣
｢あ、まってきよさ、｣
椅子に座ったけど、腰の力が抜ける。背もたれがないから後ろに倒れ込みそうになり、キヨさんが支えてくれた。
｢……腰抜けてんのか｣
｢だ！れ！の！せいですか｣
✱
お風呂上がりも私の髪の毛を乾かしてくれて、そのまままた抱っこされた。
ベッドに連れていかれる。
もう、日付はとうに越していた。
｢…………お前が、不安になってるように、俺も不安なんだよ｣
｢………え？｣
さらりと、トリートメントも使って手入れしてくれた私の髪の毛を、キヨさんは撫でる。
｢大学で変な男に言い寄られてないかなとか、｣
｢こんな歳離れてるおっさんと付き合っていいのかな、とか｣
｢……普通の仕事してないから、会うのも少なくて、飽きられてねえかな、とか｣
ボソボソと、小さい声。
キヨさんの、本音だった。
｢………そう、ですね｣
お互い様だ、と思った。
そして、2ヶ月も経つのに、こんな動物のように交わる私たちのことを知ったら、みんなドン引きするんだろうな、と少し笑えてきた。
どんだけ不安なんだよ、と絶対言われるんだろう。
｢……あ、｣
それでも不安は解消されなくて、どうにかできないかなぁ、と思う。
と、1つとんでもないが、現実的にできそうなことを思いついた。
｢……わたしも、動画投稿すればいいんですかね｣
｢は？｣
｢そうしたら、キヨさんとコラボも出来そうじゃないですか｣
｢………お前、それは天才だけど、何投稿すんの｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「nmmn」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんご(プロフ) - ちょこれえとさん» すみません、返信遅くなりました。好きになったと言って頂けて嬉しいです。これからも自分のペースで頑張っていきます！ (2020年3月6日 13時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれえと(プロフ) - めっちゃ面白いです！キヨのこともっと好きになれました！ これからも頑張ってください！！ (2020年3月3日 13時) (レス) id: cdd2774812 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - みんさん» ありがとうございます！1番好きと言っていただけて嬉しいです。自分のペースで頑張らせていただきますので、これからもよろしくおねがいします！ (2020年1月31日 23時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - はじめまして！いつも拝見させていただいています！たくさんあるキヨのお話の中で一番好きです(^^)vりんご様のペースで頑張ってください。陰ながら応援してます！ (2020年1月31日 18時) (レス) id: c336b5de5e (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - なおさん» 初めてのコメントをいただけて嬉しいです！年齢制限の方は別サイトになると思いますが、前向きに考えますね。ありがとうございます。 (2019年12月13日 19時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんご | 作成日時：2019年12月10日 14時
