20話 ページ20
そしてトークを呼び出して、Aに猫のスタンプを送ると、すぐに既読が着く。数秒後、小さな女の子が看板を掲げたスタンプ。その看板の中に『A了解です!』と書かれている。
「うは、キヨがニヤニヤしてる。完全に惚れてるやつじゃん。赤飯炊こう」
「ガッチさん考え方が完全に親なんだよなぁ……にしても……やっぱだめ、笑う」
ガッチマンはにやにやしながら、カメラ起動して写真を撮っている。牛沢はその様子に冷静に突っ込みつつも、やっぱりキヨが恋愛、というのに笑いが止まらないらしい。
「……うるっせえな!!」
片手で顔を隠しながら、またトークを見る。
それでもやっぱり、にやけ顔は抑えられなかった。
それにしても、日程が決まってない、とは。大学の方が忙しかったりするのだろうか。
タイミング悪かったかなぁ、と彼はトークでまた文字を打つ。
『あ、日程、忙しすぎて決まらなかったら、後でもいいから』
『俺の仕事知ってるから言うけど、お前よりは自由だし』
「……キヨが気を遣ってる……やっぱりほんとなんだね………」
「うわ、フジ!」
気配を消していたのか、キヨの後ろでスマホを覗き込んでいたフジは、漸く納得したのか。
すぐに自分のスマホを取り出して、何かを打ち出した。
「最俺のグループに……『キヨが片思いしてる!!恋してる!!!あのキヨが!!!会議する!!!!ぞ!!!』って打って……それから……赤飯……赤飯炊くか……」
「お前ら揃ってなんなんだよ!!」
と同時に、キヨのスマホにも最俺のグループが動いた。フジがさっき打ったものが、グループに表示される。
既読は秒で3つついた。
『は!?ちょっとまて詳しく聞かせろ!』
『わぁ〜!女優さんとアイドルしか興味なかったのに、どういう風の吹き回し?』
上から、フジとキヨ以外のメンバーのこーすけと、ヒラである。
「……どうすんだよ………」
「どーもこーも。俺らが応援してやりますよ」
ぽんとキヨの肩を叩いたフジは、メガネとマスクをしていない素の顔であったので、その瞳が随分とキラキラしているのが、キヨからは見て取れる。
キヨはこれからめんどくせえことになりそうだ、と遠い目をした。
また数分後、メッセージが届く。
『あ、いえ。近々私の学科主催のコンサートがありまして、その練習日程が決まらなくて』
『お気遣いありがとうございます』
「……コンサート、かぁ」
「え、なになに、もう進展した?」
「フジほんとうるせえ」
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです! (2019年11月21日 18時) (レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました!キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね! (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご | 作成日時:2019年11月10日 20時