14話 ページ14
｢……ま、お世辞って思うならそうとってもいいけどさ｣
キヨさんは私の嫌味のような言葉をサラッと言い流した。
空がだんだん暗くなってきているのが私でもわかってくる。太陽の光がどんどん落ちてきているのを見て、あまりの明るさに目を細める。
ふと、あの夕日の色だとみんながいう、オレンジ色が、どんな色か無性に気になってしまった。
｢……、｣
｢あ、やべ｣
暗い気持ちになっていた所に、彼の焦ったような声が聞こえた。ミラーで見える彼の顔は、苦虫を噛み潰したような表情だ。
｢どうしたんですか？｣
｢今日、実況仲間と一緒に撮る約束してたのに、時間ずらすことも何も連絡してない……｣
｢……そ、れは、つまり｣
｢ごめん、もうちょいしたらコンビニあるから、駐車場で少し電話してもいい？｣
✱
少しスピードを出したキヨさんの車が、10分ほど走らせると見えてきたコンビニに止まった。
私は電話の邪魔をしたくないと車から出ようとしたが、コンビニ行かないならこの辺物騒だから外に出るなと言われてしまい、黙ってスマホを見て暇潰しをすることにした。
スマホを耳に当てる余裕すらなかったのか、彼は車をスマホに繋げたまま電話をかける。
すると、もちろん車内には、
『きーーーよーーーーーくーーーーーーーーーんーーーー？？？？？？？？』
『連絡もなしに3時間放置はどうなってんの？』
『お前がいないせいで、3人で単発の実況とって今解散しようとしてたけどwww』
と、それぞれ3つの声が響き渡った。
｢いや！ほんとに！！！すんません！！！｣
それに負けじと、彼はスマホのマイクに向かって大声で謝る。
『……うっさ！何！スイッチ入ってないのになんでそんなにテンション高いの？』
『アハハハwwwwwwキヨのマジの謝罪じゃんwwwwww』
『まあ、理由くらいは聞きたいよねぇ。久々の4人で集まって撮る予定だったのに、それをキャンセルしてまでして、何してたの？』
それぞれ色んな反応をしている。私はSNSのチェックをしようとアプリを開いて、思わず固まってしまう。
｢今回ばかりは俺が悪いし俺のせいにしてもいいけど、理由聞くのはやめてもらっていいっすか……｣
『いやいや、お前それは無理あるやろ』
｢レトさんそこをなんとか！｣
恐らくキヨさんに対して1番怒っているだろう、関西弁の男の人は、キヨさんの言葉に貸す耳はないようだ。
『大体、昨日も電話したけど、様子おかしかったやん。ちゃんと聞かせてもらうで』
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りんご(プロフ) - ちぃさん» コメントありがとうございます。かっこいいと言っていただけて嬉しいです。ここ最近リアルなどが忙しいので、更新に波があると思いますが、長い目で見ていただけると幸いです！ (2019年11月21日 18時) (
レス) id: 72494e54b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - 7話まで一気に読ませていただきました！キヨくんかっこいいです。続きが楽しみです。無理しない程度に頑張ってくださいね！ (2019年11月21日 9時) (レス) id: bc58f84b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご | 作成日時：2019年11月10日 20時
