【銀魂×約束のネバーランド】 雪の降っていたあの日

2アヒルじゃなくてアルル ページ3

零す涙を何故か止めようとは思わなかった。

外を見ると雨が降っていた。

私は意味もなく庭に出てためにたそがれる。

すると後ろから声がした。

山崎「あ！佐久夜副長!?風邪引きますよ?!」

振り向くとザキが戻ってこいと言わんばかりに手を降っていた。

「悪ぃ。心配してくれてありがと。」

私は縁側に歩いた。

山崎「今タオル持って来ますね！」

「あそこにあるからそれ取ってきてよ。」

するとザキは取ってきてくれた。

「ふぅ。」

タオルで顔を拭く。

目頭がジンジンする…。

山崎「……副長には、今会いたい人とかいるんですか？」

おい。空気読んだ結果がそれか。

「いるよ。大切な家族に会いたいよ。」

山崎「それはいい家族愛ですね！
親にも兄弟に真選組のこと話したりとかするんですか？」

私は目線を落として微笑んだ。

「…話すことすら、会えないよ…。
私だけがここに来た。逃げてきてしまった。」

山崎「それはどういう…。」

「ごめん。分からないよね。」

私は立ち上がると濡れた髪を解いた。

そして、部屋に帰ろうと歩いた。

山崎「よく分からないんですけど、また話してください!!」

ふふっ。こういう面もあるんだ。

そう思い1度立ち止まった。

「お前に理解できるのかな？」

私は再び歩き始めた。

山崎「バカにしないで下さいよ！」

きっと後ろで頬を膨らましていることだろ。

恐らくこの世界と私がいた世界は違う。

どうしたらいいんだろ。

「あ、潜入のプラン考えないと。」

私は急いで部屋に戻った。

紙と筆を持ち、サラッと書き上げた。

「これでよし。」

私は来た道を戻り、ザキを探した。

少し離れたところにザキはいた。

「ザキー！これ、今回の潜入プラン。
あとはそのメンバーに話しといて。」

山崎「分かりました！」

脱獄の計画してたぐらいだから簡単よね。

私は部屋に戻り、棚からフルートを取り出した。

「最近吹いてなかったよね。」

ハウスではよく吹いていたが、真選組に入って持っていたものの、吹くことは無かった。

私は吹きなれた曲を吹き出す。

♪〜♪♪

確か…「アルルの女」よりメヌエット

雄大な音色が部屋に響き渡る。

よくナットとピアノで合わせていたよなー。

あ、でも待って。

これ…仕事に邪魔だから土方さんに怒られるんじゃ…。

ま、いっか。けど…。

私は小刀を数本片手に挟み、ふすまに向かって飛ばした。

隊士達「ヒィー！」

「盗み聞きしてないで仕事しろ馬鹿ども。」

はぁ。全く…。

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