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Ki


俺が手をどけたことによって、
心配そうだった藤ヶ谷の顔が一気に申し訳なさそうになって、うっすらと苦笑いをしている。


嫌なわけないのに。

俺が嫌なのは、俺自身。

藤ヶ谷のことを意識しすぎておかしくなって、藤ヶ谷の優しさを雑に扱って傷つけた俺自身。


「そんなことない。嫌じゃない。」

「…そっか、わかった。じゃあ帰ろっか。」


さっきまでの苦笑いをパッと消して、
二人の間に流れてたなんとも言えない雰囲気を藤ヶ谷の笑みがどこか遠いところへ連れ去っていく。

切り替えが早くて嫌な空気を変えられる。
大人だな。かっこいい。









藤ヶ谷といつもの帰り道を並んで歩いて
もう少しで家に着きそうだというところで、俺の頭の中で突如おかしな考えがぐるぐると巡りはじめた。

今までの俺なら思いつくことすらなかったことで、たとえ思いついても実行に移さないだろうこと。

だけど、なんだか気持ちが高ぶって、これをやらなきゃいけない気がすると強く思った。




藤ヶ谷との恋愛を諦めなきゃいけないことはわかっている。

でも、

諦める前に藤ヶ谷が俺のことを意識してくれるようにアピールして、
好かれるためにできることはやって、
それでもダメならきっぱり諦めよう、そう思った。


それなら諦めがつく。


今まで男だからとはじめから諦めていた。

告白して振られて今までの時間が台無しになることを恐れていた。

でも、やってみなきゃわからないことだってあるはずだ。

全部やってダメだったら、何年後かにあの時やっておけばよかったとは思わないはずだ。



このまま隣にいたいけど、一度だけ頑張ってみるのもありなんじゃないか。







よし、これが最後。
そう決めて、俺は藤ヶ谷に好かれるために頑張ることにした。

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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです!これからも頑張ります!! (2018年8月23日 0時) (レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃがいも | 作成日時:2018年6月6日 22時

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