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Ki
「よし、できた。」
手が離れて目線を上げれば、至近距離で満足げな顔で見つめられ驚く。
俺の顔、正確に言えば俺の髪を見ながら柔らかな笑みを浮かべる藤ヶ谷。
その顔にドキッとする。
そして何より近い。近すぎると思う。
クールな目も、羨ましいほど高い鼻も、色っぽい唇もすぐそこにある。
この近さでその表情は心臓に悪い。
「ん？あ、ごめん。このままだとどうなったか見えないね。写真撮ろっか？」
「え？」
「よし、じゃあ一緒に撮ろ。」
スマホを取り出して俺にぴったりとくっつき肩を組む藤ヶ谷。
髪がどう変化したのかは知りたいけど、こんな何もないただの道路で二人で写真を撮ることに困惑してしまう。
別に二人で撮らなくてもいい気がする。
普段の藤ヶ谷は積極的に写真撮らないし
しかもさっきよりも距離が縮まって、藤ヶ谷の手で俺の肩がぎゅっとされている。
そして藤ヶ谷がなぜか上機嫌。
俺の髪型、上手くいったのかな。
「ほら北山、撮るよ！」
上機嫌な藤ヶ谷に乗せられるまま二人で画面の中に収まり、写真を撮った。
距離が近すぎて、うるさい心臓の音が聞こえそうで嫌だ。
写真を撮り終えて心を落ち着かせようとしていたら、「もう一枚」と言いながらさらに顔を近づける藤ヶ谷にかなり焦りながら笑顔を作る。
うまく笑顔を作れた自信はないけど、どうにか二枚の写真を撮った。
「こんな感じになったけど、どう？」
笑顔の藤ヶ谷が画面を俺の前に出した。
画面の中の俺の髪は、家を出た時のどっちつかずな乱雑さが消えて綺麗にまとまっていて、素直に感動した。
器用だな。すごい。
「すごっ…、藤ヶ谷すごい！ありがと！」
感動したまま話したらつい声が大きくなってしまった。
「ふふっ、気に入ってくれた？どういたしまして。俺もそこまで詳しいわけじゃないけど、髪のことで聞きたいことあったら聞いて？」
そんな俺を、子どもを見るように微笑んだ藤ヶ谷。
ガキっぽかったかな。
「うん、わかった。ありがと！」
恥ずかしいけど嬉しい。
ドキドキして苦しい。
藤ヶ谷が直してくれた髪。
満面の笑みの藤ヶ谷。
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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2018年8月23日 0時) (
レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゃがいも | 作成日時：2018年6月6日 22時
