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Ki
木曜日に約束してから、普段よりゆっくり過ぎる金曜日にもどかしさを感じながら、ついに土曜日。
来た。
待ちに待った今日。
楽しみすぎて飛び出そうな心臓をおさえる。
久しぶりに目覚ましに起こされる前に起きた俺は、用意して綺麗に整えてあった服を手に取った。
昨日、手持ちの服を片っ端からベッドの上に並べて、鏡の前で唸ってやっと決まった服。
何度も着た服なのに、緊張する。
嬉しさ、楽しみ、好奇心、緊張、そして不安。
ポンポンと色々な気持ちが溢れて、抑えきれずに混ざり合って、落ち着くことができない。
気づけば待ち合わせの時間になっていて
急いで靴を履き、ドタドタと玄関を開けて「真ん中」へと走った。
「真ん中」はすぐ近く。
だけど藤ヶ谷を待たせたくない。
そう思ったけど藤ヶ谷はもう来ていた。
「…ごめ、遅れた。」
「ううん、時間ぴったり。遅れてないよ。俺が楽しみすぎて早く着いただけだから。」
本当に楽しそうな藤ヶ谷。
その顔に安心する。
「そっか、俺もすごく楽しみ！」
「うん、本当に楽しみ。じゃあ行こ。」
歩き出す制服とは違う藤ヶ谷。
藤ヶ谷の私服は何度も見てきたけど、
毎回かっこいいを更新してる。だから今日の藤ヶ谷が今までで一番かっこいい。
服だけじゃなく髪も。
何でこんなかっこいいんだろう。
俺と違いすぎる。
「その服いいね。髪も変えた？」
藤ヶ谷との違いに落ち込んでいたら、
まさかの藤ヶ谷からの褒め言葉。
服を褒められたのは嬉しいけど、
髪は失敗したからあまり見られたくない
「ありがとう。…髪は、上手くいかなかった、かな。」
「…髪、触っていい？」
「…髪？」
「うん、ちょっと変えたらもっといい感じになると思うから。…ダメ、かな。」
不安そうに聞いてくる藤ヶ谷。
その姿がすごく不思議で、戸惑う。
普段は頻繁に俺の頭を触ったり髪をいじったり、俺の許可なんか取らないのに今日に限って何で聞いてくるんだろう？
もちろんダメな訳がない。
「うん、いいよ。髪いじったことないからわからなくて。」
「普段髪の毛そのままだもんね。」
不安な表情が和らいで、俺の髪に伸びてくる藤ヶ谷の手。
綺麗な手が俺の髪を丁寧に触っている。
くすぐったくて恥ずかしい。
ついつい目線が下がっていく。
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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2018年8月23日 0時) (
レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゃがいも | 作成日時：2018年6月6日 22時
