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Ki
「藤ヶ谷くんが好き」
その言葉を聞いた時、
心臓が体から飛び出してしまうんじゃないかってくらい大きく、どくんと跳ねた。
大きく脈打ったのを合図に心がざわざわし始めて、不安でいっぱいになった。
なんとなく聞いていた女子の話、偶然聞こえてきただけの話が、俺の耳から伝わって体中をおかしくし始めた。
心がざわついて、視界はぼやけて、手をぎゅっと握りしめていた。
しばらくして、思う存分話したのか女子たちは帰っていった。
どんどん人がいなくなる教室で、俺は動けなくなっていた。
なんで心がざわつくのか、
なんで今にも涙が溢れそうなのか、
なんで爪が食い込みそうなほど強く手を握りしめているのか、俺の頭は理由を探すので精一杯だった。
働かない頭で唸りながら考えた結果、
「藤ヶ谷くんが好き」が俺がおかしくなった理由だと思った。
でもなんで、藤ヶ谷のことが好きな女子がいるのを知って俺がおかしくなるのかわからなかった。
俺と藤ヶ谷は友達、藤ヶ谷も俺も男、
おかしくなる理由がない、そう思った。
また働かない頭で考え始めたその時、
ふと窓の外を見たら雨が降り始めたことに気づいた。
このまま雨が強くなれば、帰る頃にはびしょ濡れだ。
急いで帰らなきゃ、そう思って藤ヶ谷の連絡帳が入ったランドセルを背負い、急いで教室を後にした。
窓の外の徐々に強くなる雨を見ながら、廊下を走りドタドタと階段を下り、
さっと靴を履き替えて外に出た。
雨粒が頭に当たって、雨だからか秋だからか少し寒くて、風邪をひかないように勢いよく駆け出した。
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じゃがいも(プロフ) - なのはさん» なのはさんこんばんは、読んでいただきありがとうございます。もどかしい二人が書けるように意識していたので、お褒めの言葉とても嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2018年8月23日 0時) (
レス) id: a8c069ecca (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませていただいてます^ ^このもどかしい甘酸っぱさが素敵ですこれからも更新を楽しみにしてます (2018年8月21日 23時) (レス) id: 952d1e1bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゃがいも | 作成日時：2018年6月6日 22時
