40，棒立ち ページ41
試合開始のホイッスルが鳴った。灰崎は最初に鬼道にパスを出すと、それは稲森に渡りそのまま攻め上がっていく
「豪炎寺さんの分までやってやる…！」
だが彼の前には相手チームFW、アスとサルがボールを奪いに向かう
稲森は最初こそボールをキープしていたが両サイドをマークされると、彼の視界からボールが消えた。元々大きな瞳をさらに開かせて驚くも、自身の横を走り抜けていったサルの足にボールは移動しており一瞬棒立ちとなってしまう
現在パスが渡ったアスを必死で追いかける
「どうした明日人！」
彼の隣まで駆け上がった氷浦は眉を顰める
「何みすみす敵にボールを渡してるんだ？」
身に覚えのない稲森は困惑する。先程の一連、端から見れば稲森がボールを持ったまま相手の前で棒立ちしているかのように見えたのだ。
「らしくないな」
「真面目にやってくれよ」
だがそんな事を知らない稲森は風丸と不動の言葉に肩を落とす。今回は稲森が可哀想に思えてくる
「ここから先は通さないよ」
日本陣まで突入したアスとサルの侵入を吹雪は軽く睨む。その姿にサルは関心を示す
吹雪は自身の必殺技″アイスグランド″を繰り出した。彼の周りの地面が凍っていく。だがこれにサルは歯を見せて笑うと、自身の胸の前で手を交差させる。吹雪はこれに視線を移せなかった
またしても棒立ち状態で彼らに抜かれてしまう
「おかしいよ、ビデオで見た特徴と違う気がする」
「ああ…」
稲森と氷浦の不安げな声がフィールドに残った
「一星が持ってきたのはガセネタか？」
「確かに全然違うでゴス」
「体で当たってくるチームのはずだろ？これじゃあまったく真逆だぜ」
ベンチでは剛陣らの困惑した声が上がる
『一星君が持ってきたネタとは？』
そんな物に覚えのない黒裂は隣の岩戸に尋ねた
「見てないんでゴスか？」
彼の言葉に頷くと隣の西蔭からも視線を浴びることとなる
「僕もそれ、知らないんだけど…」
そんな中、顎においた手を上げる基山に皆は驚く。実を言うと西蔭も見ていないのだがここでは黙秘している。以上を踏まえてこれは好感度の差なのだろうかと基山と黒裂は肩を落とした
かりんとうを勢いよくかじりながらユウは観客席にて呟く
「相手の持ち味を殺すトリックプレイが得意なオーストラリア、今の日本に攻略できるかしら？」
黄色い瞳はいわゆるジト目という物に変わり、そんな情報どこで仕入れたんだと紀村は冷や汗をかく
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聖羅(プロフ) - おぉ、非リア同盟はキーワードなんですね！注目して読まなければ…笑 (2019年2月18日 17時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)*(プロフ) - 聖羅さん» わざわざパート1の方にコメント頂きありがとうございます！センスなどと大層なお言葉、胸がいっぱいになりそうです！非リア同盟は、わりと本編に関わってくるので是非とも注目して頂きたい。これからもどうかよろしくお願いします！ (2019年2月18日 15時) (レス) id: 333bfe8339 (このIDを非表示/違反報告)
聖羅(プロフ) - シリアスな雰囲気の中にこっそりネタを入れてくるあたりセンスが凄いですね！非リア同盟のくだりは笑いました笑 これからも頑張ってください！ (2019年2月16日 20時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)(プロフ) - ぴぽさん» ありがとうございます！可愛いと言っていただけて嬉しいです！日々精進致しますので、これからもよろしくお願いします (2018年11月29日 7時) (レス) id: efb7d8eaad (このIDを非表示/違反報告)
ぴぽ - イラスト可愛いです！なんかさらに上手くなってませんか!?これからも頑張って下さい！ (2018年11月27日 0時) (レス) id: 8ec037955c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：良子(ラッコ)* x他1人 | 作成日時：2018年10月20日 16時
