小麦色のサントリナ 【オリオンの刻印】

24，MF ページ25

【イナズマジャパン、選手交代のようだ！風丸と代わってやってきたのは黒裂A！特別代表枠として選ばれた、注目の選手です！】

会場は期待の眼差しを彼女に送る

そんな黒裂は自分の配置、もとい風丸と入れ替わったことで円堂の前には吹雪と万作のDF2人、後衛MFに基山、氷浦、黒裂の順で並べられた。不動、鬼道、稲森は前衛MFとして彼らの前に配置されている


「おい、アイツ強いのか？」
「パス練しかやってねーから、実力までは知らねーよ」

FW2人は早速不安を口にする


「気楽にいこう！」

自分は風丸の安全が確認でき次第交代なのに

そう思いながらも決して口には出さず、氷浦に頷き返す彼女はどこか悲しそうにも見えた

たった数分だけの出番、されど風丸の代理。初戦でなかなかの大役を任された彼女に、基山は気休めの言葉をかけられなかった



試合再開のホイッスルが鳴る

ボールは日本側から、FWの2人を筆頭に前線へと上がっていく。それは氷浦と基山も同じ。皆これ以上被害を受けないよう必死だった。吉良と灰崎は相変わらずのワンマンプレー、それを補佐するMF

気がつけばこちら側に残っているのはDF2人と彼女だけだった

″彼女は動かない″


そんな彼女に万作は怪訝な目を向ける


『…″いつも通り″のプレー、させて貰いますから』


相手のDFまで上がれたことは良かった

だが、運悪くボールを持っていた灰崎はイ(ドンヒョク)とパクの同時に行われたスライディングによりボールを奪われてしまう

「何やってんだ！」
「うるせぇ！！」

喧嘩勃発中の2人に代わり、MFらはボールを取
り返そうと彼らに立ちふさがる

「でかした！いくぞイナズマジャパン！」

再び″特攻バッファロートレイン″で彼らを蹴散らしていく。吹雪と万作も食い止めようと前にでるが失敗に終わる。だが先程と違い、受け身をとれたことから、進歩していることは明らかである

その際先頭を走るソクの表情には影が差していた


これと同時刻、黒裂は一気にゴール前へと下がる

「黒裂…？」
『監督の指示なんです』

円堂が彼女の行動に疑問を持つも本人は眉を下げてそう告げるばかり


「おい女！そこをどけ」

ゴール前に到着したペクは勝ち気な笑みを浮かべそう叫ぶ。前方隊は無事ではあるものの、今からシュートブロックのために戻ってくるには厳しい

実質、DFは黒裂だけ


『打ってこないんですか？』

貴方の攻撃が私のプレーに繋がるんです＿＿


彼女は薄ら笑いでそう尋ねた

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