余命宣告26日目 ページ26
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自覚してから一週間が過ぎた。この思いは伝えずに胸に秘めることに決めた。伝えても私は死ぬのだから。轟くんが違う人と恋をするのは考えられない。考えたくない。
そんな時だった。
轟くんからの着信。
「もしもし？」
《もしもし。A？今部屋に居るか？》
「うん。どうしたの？」
《蕎麦一緒に食わねぇか？》
いいの！？食べたい！恋心を自覚する寸前の私ならこう答えていただろう。今は会うだけで辛すぎて何も言えない。だから私は
「あぁ、ごめん。さっき丁度ご飯食べちゃったんだよね。」
嘘をつく。本当はご飯なと食べていない。食欲が湧かないのだ。最近、癌の腫瘍に蝕まれているのが身に染みてわかる。薬の量も増えた。
ヒーロー活動時間にも限界が来ている。それでも私はこの世界に居たいと強く思っていた。この世界にはまだまだ守らなければいけない命がある。
お父さんのような人をこれ以上出さないために。
そんな時だった。
「っ！うっ！」
体全身に痛みが走る。いつもならお腹に痛みが現れ、お腹から腰、腰から背中へと広がるはずなのに、今日はお腹から全身へと広がって行った。
《A！？大丈夫か！返事しろA！！》
轟くんの声が遠くで聞こえる。ダメだ。また迷惑かけてるよね。ごめね。轟くん。私は朦朧とする意識の中、絞り出すような声で謝り、意識を手放した。
「っ！ここは……。」
ここは1ヶ月前にも運ばれた病院の病室だった。右には点滴。左には轟くんと先生が立っていた。
「……霧原さんに残念なお知らせが2つ。」
「はい。なんですか？」
「一つは轟さんに膵臓癌の事を知られてしまいました。もう一つは……。」
そう言って口を開いてはまた閉じる主治医。その態度に私はイラつきを覚え、つい怒鳴りかけようとしてしまう。そして先生は重たい口を開き、こう言った。
「転移性脾腫瘍。癌が全身転移しています。」
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Nao(プロフ) - 珊瑚さん» ありがとうございます！期待を超えるくらい泣かしてみせますね笑 (2020年1月21日 9時) (
レス) id: 9cbd37a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚(プロフ) - うわ〜。これはいい小説な予感がします。最終回で泣いてしまうかも、更新待っています。 (2020年1月20日 23時) (レス) id: 75cba6923f (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - kagamikoto08さん» そうなんです！！爆豪が元カレでここから色々展開させていく予定なので楽しんでみて貰えたら嬉しいです！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: 9cbd37a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
kagamikoto08(プロフ) - 余命宣告悲しいけど、１３日目にして爆豪が元彼って驚きました！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: cbbf42e28b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nao | 作成日時：2020年1月15日 22時
