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Aは、自分なりの考察を皆に話した。
山姥切「…そういう可能性も、無くはないな」
山姥切と共に、皆も一緒に頷く。
鯰尾「自分から出て行ったか、それとも…誘拐されたか、ですね」
骨喰「…あの人が俺達に黙って、勝手に出て行くとは考え難い。きっと…」
Aも刀剣男士も、審神者が自分から本丸を出て行ったとは思っていない。嘘のひとつだって吐けないような人間なのだ。絶対、何かあったに違いないのである。
寿「じゃあ今すぐ、行かねーと」
寿は小さな声で呟いたが、それを薬研が止めた。
薬研『大将、気持ちは分かるが今は止めておけ。そろそろ立つのもきつくなってきてるだろ』
寿「…うるせーな、ほっとけよ」
薬研『駄目だ。あんたまで動けなくなったら、二進も三進も行かなくなる。東の旦那ならきっと無事だ』
寿「うるせぇ…」
薬研『だから数日状況を伺って、計画を立ててから動く方が合理的だと思…』
寿「うるせえっつってんだろっ!!!」
しん、と辺りが静まり返った。
寿「合理的かどうかなんて聞いてねえ!俺にとってあの人は恩人なんだっつの!今無理してでも立ってられんのもお前らがいんのも、師匠のお陰だろ!…恩返しくらい、させてくれても良いじゃねーか…」
叫ぶように言った寿は、肩を上下に揺らしながら息を切らした。
薬研は呆れたような顔をしながらも、溜息を吐いて頷いた。
薬研『…分かった。だが今すぐには無理だ。今の防衛戦で皆疲れているだろうから、夜が明けるまで休んでから、準備を整えて行こう。皆もそれで良いな?』
頷く全員に、薬研は続けた。
薬研『よし、じゃあそうだな…朝は各自準備をして、七時頃に大広間に集合。朝餉は軽く握り飯で良い。八時頃に計画を立てて、九時には出発出来るようにしよう。良いな?よし、皆寝ろ』
その声を最後に、全員はばらばらの方向に歩いて行った。
Aも、縁側の外に踵を踏んだ靴を脱ぎ捨てて部屋に入ると、汗と返り血に濡れた寝間着を替えて布団に潜り込んだ。
本当は一度風呂に入りたかったが、今は睡眠の方が大切だろう。
戦闘の興奮がまだ少し残っていて寝付きは少し悪かったものの、Aは数十分後には寝息を立て始めていた。
午前二時頃。
『何か』が終止符を打つ日の出来事であった。
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます!これからも頑張りますぞ〜(*`・ω・) (2017年3月31日 18時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*^▽^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!鶴丸さぁあん!!!ついに....!ついに....!恋をした!!!!短編も楽しみにしとりますぞ!!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ!!!!続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月18日 11時