55☆寿視点☆ ページ24
マ○オカートで太鼓鐘相手にコテンパンにされた後、寿はこっそりと席を外した。
腹を押さえながら厠に向かうその足取りはふらついている。
寿「っつー…」
最近、胃痛が酷い。
元々胃はそこまで強くない方なので胃痛くらいなんてことなかったのだが、最近は一段と酷くなってしまった。
食欲もほとんどなく、夏バテと少食を口実に他の奴におかずを譲っているが、最近はもう誤魔化しが効かなくなってきている。
バイトついでに万屋でこっそりと胃薬を買って飲んでみるものの、毎日量が増える一方だ。
しかも、以前吐き気がしてトイレに駆け込んだ時、吐いたものに血が混じっていた。
原因はなんとなく分かっているようで、分かっていない。
頼りない足取りで厠に辿り着く。厠の扉は開けっぱなしだった。
いくつかある個室の一つに入ろうとすると、一番奥の個室から音が聞こえた。
「っ…ぐすっ…うっ…」
それは審神者の泣き声だった。
先程審神者が明かした過去。
それを語って、悲しい過去を思い出して、自分の師匠は、ひとりで、厠で、泣いていた。
寿「…!」
気付かなかった。
気付けなかった。
一方的に過去を話させておいて、自分は呑気にゲームなんかして遊んでいた。
寿は、弾かれるように厠から飛び出す。
気付けば審神者の部屋の前に戻って来ていた。
何故か、身体の震えが止まらなかった。
思い返してみろ。
自分は今までどれだけ師匠に迷惑をかけたり、今のように嫌な事を思い出させてきたんだ?
師匠だけじゃない。
刀剣男士達だって、Aだって同じ。
ついこの間起きた鶴丸の喧嘩騒動。確かあれは、自分の喧嘩っ早さを侮辱されて鶴丸が怒ったのではなかったか?
またAをここに連れて来て、質問責めにさせているのは、どこの誰だ?
自分は一体何のためにここにいるんだ?
そもそも自分はここに居ても良い存在なのか?
皆、俺の存在が迷惑だということを隠しているんじゃないか?
胃が、痛い。
厠に戻れるはずもなく、周りに誰も居ないことを確認してその場に座り込んだ。
しかし、周りに誰も居ない、という判断は間違っていた。
さっと開いた襖の向こうには、Aがいた。
まだ審神者の部屋で涼んでいたらしい。
貴方「あれ?寿じゃん、何してんの」
その言葉をAに投げ掛けられる前に、寿は慌てて立ち上がっていた。
〜追記〜
寿の回想何回目やねんいい加減にしろよ()
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます!これからも頑張りますぞ〜(*`・ω・) (2017年3月31日 18時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*^▽^*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます!!鶴丸さぁあん!!!ついに....!ついに....!恋をした!!!!短編も楽しみにしとりますぞ!!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ!!!!続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月18日 11時