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結婚してから三年が過ぎた頃、結さんは熱を出した。
始めはただの風邪だと思っていたが、治るどころかそれはどんどん悪化していき、原因はいつまでたっても分からないままだった。
やっと落ち着いたと思ったらまた熱を出し、熱が下がったらまた上がり…それを毎日繰り返してろくに食事も出来ず、寝たきりになってしまった彼女を僕は献身的に看病した。
その生活は一ヶ月ほど続いただろうか。
結さんは僕の呼び掛けに応じることさえ出来なくなり、皆が見守る中でそっと息を引き取った。
あまりに早過ぎる死に、刀剣男士はずっと悲しみに暮れていた。
しかし、結さんを看取った瞬間の僕は至って冷静だった。
結さんは旅立つ一週間ほど前、僕に遺言を遺していたのである。
結「ねぇ」
「はい？」
結「私…もう、駄目だと思う。多分もうすぐ死ぬ」
「な…なんてこと言うんですか！まだこれからでしょ？しばらく二人の時間を楽しむんじゃなかったんですか？」
結「自分の死期は大体分かるって言うじゃない。今は大分落ち着いてるけど、やっぱりもう長くないのよ」
「…」
結「ほらまた。泣きそうな顔しない。それで、本題なんだけど」
「…本題？」
結「あなたに、審神者をして欲しいの」
「え？僕が…？」
結「刀剣男士ってね、審神者がいなくなったら霊力もなくなって刀の姿に戻って、政府に回収されちゃうのよ。私、それは嫌で…だから、ね？」
「僕なんかに出来ますかね…」
結「出来るわよ、あなたなら」
「はぁ」
結「あ、知ってると思うけど、神隠し防止で本名知られちゃいけないから、あの子達からあなたの名前の記憶は消さないとね。それと…」
そしてそれから結さんは、自分が死んだ後のことを話し続けた。
寂しくなるし、慣れていない刀ばかりだから葬式はするな。
遺体は焼かずに棺に入れて、裏庭にある木の根元に埋めろ。
月に一回ほど、これから教える術を使って近隣報告をしろ。その術で自分以外の人と話すな。
また、そのことは誰にも言わないで欲しい。
僕はその数々の要求を全て受け入れた。
そして結さんを埋葬したその日の夜。
全員が泣き疲れて眠っている頃。
部屋にぽつんと並ぶ、二つの布団。
昨日までそこにいた存在は、今はもう無い。
それをやっと実感して、僕は結さんのものだった布団に顔を埋め、声を押し殺しながら咽び泣いた。
〜追記〜
審神者過去編一応おしまいでーす
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そると@受験生(プロフ) - いつの間に沢山のコメントありがとうございます！これからも頑張りますぞ〜(*｀･ω･) (2017年3月31日 18時) (
レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
あやとり猫(プロフ) - 初コメ失礼します!! シリーズを見つけて1章から飛んできました!!面白すぎて涙が出ました(勿論感動でも出ましたよ!!) 鶴さん…みかち…ジジィが尊いことはわかりました(( そして遅くなりましたが続編おめでとうございます!!更新ゆるりと楽しみにしております!!(*＾▽＾*) (2017年3月20日 1時) (レス) id: ace5edcb89 (このIDを非表示/違反報告)
霧月(プロフ) - 続編おめでとうございます！！鶴丸さぁあん！！！ついに....！ついに....！恋をした！！！！短編も楽しみにしとりますぞ！！！ (2017年3月19日 20時) (レス) id: d9abe7bbeb (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - やったいちこめだやっふぃ！！！！続編おめでとうございますありがとうございます、いつも楽しみにしてます！ (2017年3月19日 20時) (レス) id: 2ca1777b5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そると | 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月18日 11時
