よぉ三平、また会ったな。【刀剣乱舞】

短編:やらしいお兄さん達のお戯れ。�� ページ33

亀甲「Aっちゃーん！」

貴方「うわっまた変なの来た」


刺繍糸を通した針片手に、Aは怪訝そうな顔をした。
亀甲はスライディングの如くAの前に滑り込み、両手で頬杖をついてニコニコとした笑顔を見せる。


亀甲「ねぇ、それより先に僕を刺し…」


亀甲が言い終わる前に、Aは亀甲の顔に勢い良く針を突き立てた。
鼻への鋭い痛み。


亀甲「ン″ン″ッ…良いねぇ…！」


そう叫びながら、鼻を押さえて畳に転がる。
Aは呆れたような顔をして、ティッシュで軽く針先を拭くと、そのまま針を鞘に突き刺した。
亀甲はそのまま放置。
しかし、やはりそれは放置プレイがどうのこうのと言って、亀甲を喜ばせるだけである。

そんな亀甲をよそに、Aは早速苦戦していた。
鞘に針が通らないのである。
革製品を手縫いというのは中々難しく、筋肉量の少ない女性であるAにとってはかなりきつい作業だ。
だからと言って力み過ぎると、うっかり針を折って手に刺してしまう。


貴方「くっ…！」


手を震わせながら針を引き抜こうとするAの様子に気付き、亀甲は転がるのを止めてAに話し掛けた。


亀甲「大変そうだね、それ。ちょっと貸してみてよ」

貴方「えっ」


亀甲は了承もなしに鞘と針をAの手から拾い上げ、糸のほつれている箇所に針を刺す。
針は確かに通りづらかったが、ガタイの良い亀甲には縫えないこともない。
さっき顔に一突きお見舞いしてくれたお礼だと思い、亀甲はそのまま鞘を縫い続ける。
Aはそれを意外そうな目で見続けていた。


亀甲「はい完成。これで良いかな？」

貴方「え？あ、うん…」


そのまま立ち上がって立ち去ろうとしたところで、ふと後ろから「ありがと」と聞こえてきた。

痛め付けられるより清々しい気分がした。
機嫌を良くした亀甲は、スキップ気味で廊下を渡って行く。


そしてその向かい側の縁側には、その様子をずっと見ていた青江と審神者の姿があった。


審神者「なんだ。青江色々言ってたけど、亀甲って割と良い子じゃん」

青江「そうかなぁ」

審神者「あの子ただのMだと思ってたよ、僕」

青江「どうだろうねぇ」


青江は審神者の話を聞いていない。
先程から二人の姿が頭から離れないのだ。


審神者「青江？聞いてるー？」

青江「聞いてる聞いてる」


ああ。


今日も、この感情は分からないものである。





〜追記〜

おわり。こんな甘ったるい話初めて書いたﾃﾞｽﾖ
文字数微妙にたりない…

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