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ラウンド18 ページ19

「それじゃ、適当に殺すふりだけして、政府の目を誤魔化してしまいましょう!実際に殺さなくても『もうちょっとで殺せそう』とでも言っておけば良いんです。どうせ俺達にしか任せられていない任務ですから」


そう言って、鯰尾はAに顔をうんと近付けて手を差し出した。


「だから、主さんは安心して生活して下さい。俺達がしっかりサポートします」


Aは若干戸惑いながらも、その笑顔の純真さに負けて、鯰尾の手を取った。
鯰尾は満足そうに頷くと、Aをそのまま立たせて背中を押す。


「それじゃあ、ひと段落ついたところで一旦解散にしましょう。晩御飯の支度が出来たら呼びますから、部屋でゆっくりしててください。今夜はご馳走ですよ〜」

「あ、うん。それじゃあお言葉に甘えて…」


言われるがままに、Aは部屋から出た。
ざわざわと騒がしくなり始める大広間を後にして、自室に戻る。

Aは敷きっぱなしだった布団に飛び込んで、今日一長い溜息を漏らした。


「ああああああぁぁぁぁ〜…」


冷静になってみれば、自分はかなり危ない環境に立たされているということに、段々と理解が追い付いてくる。
政府って。
政府が自分を殺すって。
そんなこと、夢にも思わなかった。

でも、どうしてだろうか。

考えてみれば薄々分かる気がする。
多分、重い怪我を一瞬で治せる能力を持っているからだろう。
政府はきっと、自分が人間兵器に化けることを恐れているのだ。
自分で言うのも何だが、こんな能力を持った奴が戦場に出てしまえば半永久的に戦えてしまうだろう。
無論そんなことするつもりは一切無いが、その仮説なら筋が通っている。

あれ、でも。

それだとしたら、どうして刀剣男士はこのことを知らなかったのだろうか。
もしこの能力のせいで命を狙われているのであれば、刀剣男士は能力のことを知っているはずだ。知らされていないなんてこと、普通はありえないだろう。
じゃあどうして?


そこから先は、何も浮かばなかった。
もうAは考えることに疲れ果てていた。
Aはそのまま敷布団に顔を埋め、三秒立たないうちにいびきをかき始めた。

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 女審神者   
作品ジャンル:アニメ
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そると(プロフ) - ナツカさん» 一応この物語は完結したら少しいじってpixivの方にも載せたいと思っております!最後になってしまいましたが、これからも楽しく、張り切って書かせて頂きますのでよろしくお願いします♪ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - ナツカさん» うわああああこんなに褒めて頂けるとは…(´ノω;`)ウレシイ…!!!大体の結末は考えていますが、自分は気分屋なので今とはガラッと変わるかもしれませんね( ˇωˇ )あと現在はもう受験を終えて高校一年生やってます…紛らわしくて申し訳ありません(汗)→ (2017年10月8日 23時) (レス) id: 762ecccfb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 長文、大変上からの無礼な感想誠に失礼いたしました。ただ、是非完結まで追いたいです。占ツクをやって3年近くたちますが、1番と言っていい程楽しめる作品です。勉強との両立、大変だと思われますが、ご自愛のもと、どうかこの素晴らしい作品を書き上げてください!!! (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - 先が読めなくて、主人公と刀剣がどう和解するのか、はたまたバッドエンドなのか、予想がつかず妄想が膨らみ大変ワクワクします。本当に、もっと評価されるべきです、何故HIT数がこんなに少ない……! 正直占ツクよりも、pixivなど年齢層の高い場所で受ける作品かもです (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)
ナツカ(プロフ) - ギャグも、キャラをよく理解しかつ自分の中でキャラを動かせてるのだと思います。違和感なく楽しめます。受験生ということでしたが、高校3年生ですか? その年でここまで書けるのは、脱帽、尊敬に尽きます。結末までの構想は練ってあるのですか? 続きが気になります (2017年10月8日 22時) (レス) id: 0606ce557e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そると | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月6日 18時

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