私と君とあの人。【三輪秀次】-完-

7.それはお節介 ページ7

side_三輪



『三輪くん、違うここはこの式の応用』


ボーダー本部内の食堂で、目の前の少女に間違いを指摘される。

彼女と出会ってもう1年になる。
普段は近界民への復讐心に囚われる俺も、彼女と過ごす時間は、なぜだか落ち着いていられた。


彼女には俺の復讐心も、焦燥感も、劣等感も、身体も心も、全てわかってもらえてる気がした。
彼女も同じベクトルを近界民に向けているからだろうか、彼女と共にいる間は、自分への負担も半分になってる。そう感じることができた。




「秀次、名前」

三輪「迅、、、さん。」


『悠ちゃん！！』


さっきの大人びた雰囲気はどこへやら、名前は子供っぽい笑顔を迅に向ける。


迅「勉強か？」

『そうだよ、テスト勉強。
それに私たち、受験生！！』


同じ高校に行くの〜と迅に頭を撫でられた名前は俺を見る。
迅は、そうかと言うとジッと俺を見る。


俺も睨みをきかせて見つめ返す。


迅「秀次、頑張れよ。」

名前もな、と去っていく迅。あいつは何をしに来たのだろう。



三輪「苗字、ここはこれで、、、」

ハッとした。
苗字の表情は冷たく、ノートを見ているようで、どこか遠くを見据えている。



『迅のお節介は、知り合った頃から変わらないや』



帰ろっか、と急に立ち上がった彼女に、俺は何も言葉をかけられなかった。

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