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【及川side】
及「…馬鹿だな、俺。」
たまたま…本当に偶然だった。
コンビニの帰りに楽しそうに歩く2人を見つけて。
及「…A？」
その横にいるのは…国見ちゃん？
何で2人が…？
及「っ！」
楽しそうに並んで歩く2人。
その姿は傍から見てもカップルにしか見えなくて。
それに、Aの格好…
Aは中学の時からかっこいい一ノ瀬Aとして過ごしてきた。
…Aのスカート姿なんてずっと前に見たのが最後だったのに。
国『俺、負けないように頑張るんで。』
合宿時の国見ちゃんの言葉がフラッシュバックする。
及「…」
きっとAは、国見ちゃんとのデートの為に精一杯おしゃれしたんだろうな。
そんなAは紛れもなく女の子で、とてつもなく可愛くて。
でもそれが俺じゃなくて国見ちゃんの為だと思うと、嫌で嫌で仕方ない。
国見ちゃんと別れたあともAは突っ立ったまま。
及「…A？」
咄嗟に声をかける。
「！と、おる…」
そりゃ驚くよね。
及「…国見ちゃんとデート？」
「ちっちが…！」
慌てた表情でAが必死に否定する。
及「スカートなんて、ずっと履いてなかったのに。国見ちゃんの為にオシャレしたんだ？」
及「それもこんな時間まで2人きりなんて、襲ってくれって言ってるようなもんだと思うけど？」
本当にAは分かってない。
自分がどんなに可愛くて、どんなに好かれているのか。
国見だって…勿論俺だって、れっきとした男なのに。
ダンッ
嫉妬、後悔、羨望。
色々な感情が込み上げて、気付いた時に目の前にあったのはAの泣き顔で。
及「っ！」
俺が、Aを泣かせたんだ。
誰よりも大切で、何よりも愛しい彼女を俺は泣かせる事しか出来ないのか。
なら、せめて。
Aが…そして俺が、少しでも傷つかないように。
及「…A、おめでとう。」
「っ！」
その瞬間、Aがはっきりと傷ついた表情になる。
及「！」
何で…何でAがそんな顔するわけさ。
俺だってこんな事言いたくないのに。
及「夜遅くに引き止めてごめん。次会うのは春高だね。」
「うん…」
こんな状態で春高を迎えるなんて思ってなかった。
及「それじゃ、おやすみ。」
玄関の扉を閉めて、思わずため息をつく。
「…告白もまだだったのにな。」
あっけなく、俺の長年の初恋は終わりを迎えた。
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真琴(プロフ) - ゆりりんさん» ありがとうございます！亀更新ですが精一杯頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！返信遅くなってしまい申し訳ありません...！ (2019年1月3日 0時) (
レス) id: f359aee221 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 続きがめっちゃ気になります。更新頑張ってください！ (2018年9月9日 7時) (レス) id: 3aa826c620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真琴 | 作成日時：2017年2月1日 23時
