俺…女なんですけど。ーanother storyー【及川徹ver.】

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【及川side】

及「はぁ…」



合宿はまだ始まったばかり。



春高前という大事な時期に、貴重な経験をさせてもらえてありがたいと思う。



及「…」



IHでの膝をついて俺を見上げる飛雄、いい景色だったなぁ…←



(※IH終わってる設定です！試合内容、結果などは原作通りです。)



及「雑食で常に貪欲なカラス、か…」



格下だったはずの相手。



「堕ちた強豪、飛べない烏」なんて呼ばれていたはずなのに。



いつの間にか、すぐ近くにいる。



俺たちだって、ただ怠けてた訳じゃない。



いつだって手を抜かずに、全力で辛い練習にも取り組んだ。



何も恐れるものなんてないはずなのに。



『影山はもう、孤独の王様なんかじゃない。』



彼らが、ただ純粋に怖い。



自分の努力を疑いはしない。



それでも、心の何処かで『喰われる』なんて思ってしまっている自分が確かにいる。



確かに飛雄はもう、孤独の王様なんかじゃない。



チビちゃんやチーム全員が、確実に強い。



それでも、この今までにない焦燥。



その原因は…



『徹は俺の憧れで、絶対に越えたい相手なんだ。』


『烏野は、徹…青城に勝つ。』



永遠のライバルであり、想い人でもあるAなんだろう。いや、そうだ。



Aがもし、男だったら。



それでも俺は、宿敵としてAに惹かれるんだろう。



俺個人のライバルはこれまでもこれからも、他でもないAだ。



Aは、俺の事を「自分の憧れ」なんて言ってくれるけど。



俺も、Aに憧れてた…いや、憧れてるんだよ、ずっと。



もし、この事をAに伝えたら。



たとえ一瞬でも、Aは俺を見てくれるんだろうか。



及「…眠れないな…」



もしばれたら、岩ちゃんに殴られちゃうや。



及「…外でよう。」



春高前だっていうのに、こんな弱気になってどうするんだ。



俺は主将だ。主将の士気はチームの士気を左右してしまう。



頭を冷やそう。そうすればきっといつも通りになる。



及「…はぁ……っ！」



あれって…



及「A、どうしたの？」

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