共同戦線 ページ31
「はい、終了。2人も頑張ってね〜」
惠さんの手にはカードキーがあった。
真夏さんも流石に驚いているようだった。
「メグのバカー!3人がかりなんだからさ!ちょっとくらい手加減をね!しかも自分が終わったら帰るって!協調性!!」
「早く部屋戻りたいんだけど。何、2人は黙ったままだけど手伝った方がいい?」
「要らないです」
「なめないでください!リーダなんて片手あれば相手できますよ!」
…と、いうのはお互い虚勢を張っているのだが。
何となく、ここで手を借りるのは不格好で嫌だと思った。
「もー、そういうのじゃダメだから合宿をね…ってメグ!帰るの!?」
「今日は真夏のせいで車に酔って疲れたからね。明日の集合時間と場所連絡しといて」
「ぐうの音も出ない!了解!」
真夏さんの着ているシャツの胸ポケットには、カードキーが2枚。
元は3枚入っていた。
わざわざ自分の部屋の物だけを取った、というのがなかなかに惠さんらしかった。
「さぁて、別にこのままサバイバル式でやってもいいんですけど…」
そういった夕日が、こちらを見る。
「協力した方が楽だろうな」
「それじゃ、2人でリーダーをとっちめてやりましょう!」
「え、俺悪役?」
今朝配られた、トイガンを右手に持つ。
名の通り実弾は入っていない。
が、当たるとそこそこ痛い弾を入れて置いた。
「…カードキーじゃ済まないかもしれませんけど……まぁ今日の鬱憤を晴らすという意味で、一戦お願いしますね、真夏さん」
「ドSモード入っちゃったよ…」
*****
「はー、きっつい…」
『取れる気がしない!』
習った体術は随分と身についていたみたいだ。
ただし、足止めに精一杯でカードキーまで辿り着けない。
足を払おうとしても、軽く蹴りを入れても見事にかわされる。
おまけに春日くんとの連携が上手くいかないのだ。
「…っは!」
『!』
春日くんの動きに合わせようとする…が、咄嗟のことで上手くいかない。
透さんはあっさりと避けてしまう。
「これで終わりかしら?これなら、野宿もいい経験じゃない?」
「息一つ切れてない…」
『そろそろ動けないんだけど…!』
悔しさと苦しさが混ざり合う。
ぐっと拳を握って、ふと思う。
たぶん、このままじゃ同じことの繰り返しだ。
この、うまく連携が取れてないままでは。
『……春日くん』
「…?」
*****
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リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です…!頑張ります! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い!私は真夏さんが好きです!イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね! (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ!( ☆∀☆)面白かったです!私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね! (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年11月25日 11時