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家族のような ページ12

「……なんで、知って」


掠れた声。
その声が彼の驚きを伝えてくる。

春日くんの左目は、夕日ちゃんが言う通り見えなくなっているらしい。
光を映さない、綺麗な瞳だ。
私達がそれに気づかなかったのは、そう悟らせないようにしていたのだと思う。


「どうして隠していたのか、なんて聞くつもりはありません。もう予想だってついています」

「…ゆうひ、ちゃん」

「貴方は私より弱いのです!銃の腕だって私よりも全くです、足元にも及びません!」

「…えっ」


唐突に春日くんの痛いところを突いた夕日ちゃん。
…でも、その表情は真剣だった。



「…兄貴ぶらないでください!辛いなら辛いって言えばいい!苦しいなら苦しいって!!助けてほしいと言ってくれなきゃ私だってその方法すら考えられません!!」



ポタポタと、透明な雫が床に落ちた。
潤んだ瞳は、一時も春日くんから離されない。


「…私は、強がる春日より、全部見せる春日の方が、貴方らしいと思います」


だから。

…そう言い、次を紡ぐ前に、春日くんは夕日ちゃんを抱きしめた。
ごめん、ごめんね、…と。
彼も同じように、涙を流しながら。

そして。



「……いいシーンで悪いけど。外暑いから早く中入ってくれる?」


それを割って入ったのは、惠さん。
さらにその後ろには、

「!……っ透!」


退院したらしい、透さんがいた。


*****


「そう、色々迷惑かけたわね。…私がいれば何とかなった事態もあっただろうし…」

「いえいえ!無事真紅からは抜けることができましたし…。…それに」


夕日ちゃんと、春日くんがお互い顔を見合わせる。


「そうですね。…まさかここに来れるとは思ってなかったですよ」


吹っ切れたような笑みだった。
今まで見たどの笑顔とも違う、優しい笑顔。


「…双葉、焦がす気か」

『えっ?あっ、わっ、』


焦げた部分を少し切り離して、失敗した形跡がないように盛り付けるゆづ。
しかも、7人分あっという間に。

『ゆづ、これだけサラッと料理ができておいて面倒はないんじゃない…?』

「面倒は面倒だ。出来る出来ないの問題じゃない」

そうなってくると、逆にどうやったら面倒でなくなるのかが分からない。
出来ないからやらない、ならまだ分かるけど…。

「あれ?蜜ちゃんフリフリエプロンしないの?」

「悪い、結弦。想像した」

「春日」

あっという間にできる料理に見惚れていると、殆ど料理が出来上がっていた。

「早く座れば」

『…あ、うん!』


.

12月31日→←いつかの正義に



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リナ@オリ垢(プロフ) - 星雲さん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です…!頑張ります! (2019年3月11日 13時) (レス) id: 4ca9bb93a1 (このIDを非表示/違反報告)
星雲 - すごく面白い!私は真夏さんが好きです!イラストも私の好みです♪更新頑張ってくださいね! (2019年3月11日 8時) (レス) id: 856336a373 (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリ垢(プロフ) - 如月 唯奈さん» コメントありがとうございます!はい、頑張ります! (2018年12月18日 20時) (レス) id: d33000d880 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - リナさん、初めましてっ!( ☆∀☆)面白かったです!私も殺し屋を主人公とした小説を作っています。更新頑張ってくださいね! (2018年12月17日 1時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2018年11月25日 11時

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