〈オリジナル〉殺し屋系グループでドSな相棒が出来たのですが。

結弦は何種？ ページ24

なんだかよくわからないが、とりあえず身動きが取れない。
それと、ゆづの顔が近い。

『えっと、あの…』

「腕細いな」


手首を指先でなぞられる。
それに抵抗できないのは、身動きが取れないからってだけじゃないと思う。
どこからの音だかわからないけどバクバクうるさくて、私はその感覚を覆い隠すように彼を見た。


『ゆづ、これが、対人格闘とどういう関係にあるの？』

「気づいてんの、顔赤いけど」

『うっさい、ドS！』


そう言えば彼はプッと吹き出した。
理由はわからないが、その反動で解放はされた。
若干手首が痛い。


「今みたいな時に抵抗できるようになる。あとはその逆な」

さっきの生き生きした表情はどこへ行ったのやら、またいつも見たいなほとんど動かない無気力顔になった。

『じゃあ私も、選択しようかなぁ』

「……それは面倒だからやめろ」

『えー、どうしよ』


先ほどのささやかなお返しだ。
そんな意を込めて悪戯に笑うと露骨に嫌そうな顔をされた。


『けど、普通の部活もあるんだね』

「まぁ、一応な。高校生気分が抜けきってねぇ輩が入ってる」

『何その言い方。いいと思うよ、高校生気分。間違ってないし』


これもまた分かりやすく嫌そうで、私は思わず反論する。
もうみんな割り切ってるんだろうか。今までいた場所とこことでは、全く違う場所だって。


『……あれ、』



確かA種は、戦闘に関連した仕事(、、)をしていた者。
でもそれは法律上 成人になってからでないと不可能だ。
つまりこの花菱学園の生徒はB種かC種だということだ。


「……なんかあったかよ」

『えっ！？いや、何でもない…』



この数時間でも、ゆづのことは大体わかった。
体に不自由そうな場所はない。


『ゆづは……C種…。』



それは、ほんの少し、考えれば分かるだけの部類らしい。

そしてすぐに分かるはずだったんだ。
この組織の人間は全て、何かを背負ってしか生きられない人の集まりだってことに。

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