説明省略のプロ ページ21
「あら、待たせちゃった?」
「透遅いー!」
『バカップルみたいな返しやめてください』
挨拶もなしにソファに座る蜜葉くんは相変わらずで。
透さんも私が座ったソファの向かいへ座った 。
彼女はカバンから緑色のファイルを取り出し、そこに入っている書類を見つめた。
「文がかなり堅くて難しいのよね。私が説明するけど、それでいい?」
『えっと、何の説明ですか?長いとしか聞いてないんですが…』
「……」
呆れたようなため息。
たぶん、私に向けてではなく真夏さんに向けられている。
説明省略は真夏さんの特技だと思っても過言ではない。
「…そうね、まずこの組織の正式名称。“日本特殊防衛機関 正染”」
『セイ、ソ?』
「正しいを染めると書いて正染ね。あまりこの名前は好きではないけれど…。それでその、正染に所属している人が種類分けされてるの。位とかは関係なく、A種 B種 C種に分けられてる。」
彼女は説明が上手いらしく、すんなりと内容が入ってくる。
「A種は加入する前、殺し屋とか警察官とか自衛隊とか、戦闘に関連した仕事をしていた者。B種は家や家族、財産がなく、学校に通うことすら困難な者。C種はなんらかの事件を期に生活が苦しくなったり、トラウマを植え付けられたりした者。……AちゃんはC種ね。この分類は相手から言われたりしない限り、人からは聞かない方が良いわね。特にB種の子なんかは聞かれたくないだろうし。」
だけど、何故こんな分類が必要なんだろうか。
「…ふふ。Aちゃんは分かり易いわね。この分類ね、今度正式な加入書を書いてもらうんだけど、それに必要だから。でも好き好んで種類を言う人は居ないからね。」
そう言われ、蜜葉くんと目が合った。
やっぱり逸らされたけど…彼はどうなんだろうなんて、気にはなるものだ。
「それから特別学校のことね。基本的にその制服はいつも着ている事。高校生は拳銃の所持は認められてるけど、使用は認められていない。その制服を着ていない時に使用したら警官に話しかけられちゃうから気をつけて。」
「それで、学校について詳しくだけど……行って見る方が早いかしら。今日って転入日?」
『いえ、今日は少しご挨拶に行くだけで…創立記念日らしくて、生徒は休みみたいです』
彼に補足を頼もうと思ったがイヤホンを両耳にあて自分の世界に入り込んでいた。
仕方がないし、お話はこれで終わりみたいだ。
「それじゃあ、これだけ渡しておくから、後で読んでおいて」
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リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - イゼッタさん» コメントありがとうございます!pixiv、やってるんですけど完全に見る専なので…w別垢を作ったらやってみようかなぁと思います!ご提案ありがとうございます! (2018年7月14日 18時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - この作品、とても良いのでpixivであげてみては? (2018年7月9日 13時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - リナ@オリジナル小説垢さん» いえ!こちらこそ受け取って頂けて嬉しいです! 相棒を続ける内に結弦君のSがうつっていったらこんな感じかなぁなんて思いながら描きました(*´∇`*) 作品に貼っていただけるとは……感謝です! それでは(^-^)/ (2018年6月30日 16時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
リナ@オリジナル小説垢(プロフ) - 柳さん» わー!本当にありがとうございます!!カッコいい…!そう言っていただけるととても励みになります…!画像、作品内で貼らせていただきますね! (2018年6月30日 11時) (レス) id: 3385c13a93 (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - http://uranai.nosv.org/uploader/common/f/7/b/f7b5dc0fea6a4df1dd9bff02e3179e80.jpg これで見られますかね? 画像が、見られない場合は言って頂けると幸いです。 少しでもリナさんの応援になればと思います。 それではまた、読みに来ますね! (2018年6月29日 11時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ@オリジナル小説垢 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2018年3月30日 11時