花になりたい彼女 (ページ10)

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8輪ページ10

「あぁ、司に伝えろ。石神千空は生きてる！科学の力で銃を100億丁ほど完成させたってな…！」

さて、金狼の傷をどうにかすっか
口に漏斗を刺し

「あとはオラ！傷口にそのサルファ剤でもぶっかけときゃ明日には完璧に治ってんだろ｣

「明日！？」

「適当すぎんだろ…｣

サルファ剤を傷口にぶっかける
そんで倉庫に寝かせときゃそのうち治んだろ

コハクがクロムの倉庫へと金狼を運ぶ
おいおい、しかも片手かよマジか…

スタスタ段を登っていくコハクに口元をひくつかせていると

「！？誰かいるぞ！」

「あぁ？」

ゲンは司んとこだし俺たちの中で誰も欠けてるやつはいねぇ

誰だ…？

騒いでるコハクを無視して倉庫の階段を登る

扉を開けてみると床に誰か寝ている、っていうか寝かされてんのか…？

頭まで布被ってるせいで誰かわかんねぇ…

「いったい誰だ…………、は」

そこに寝ていたのは、3700年前では見慣れた顔

相変わらず真っ白な髪に睫毛に肌、今は閉じられているが瞳の色は間違いなく翡翠色だ

会いたくて堪んなかったやつが今目の前にいる

頬を撫でてやればいつもは擦り寄ってくるくせにピクリとも動かねぇ

唐突に死んでんじゃねぇか不安になって首と口元に手を寄せるとちゃんと脈も呼吸もありホッとした

「千空！！大丈夫か！！」

「声でけぇよクロム」

「だって知らねぇ奴が俺の倉庫にいたんだろ！？」

「安心しろ、全然知らねぇ奴じゃねぇ」

「そ、そうなのか？」

気になったのか顔を覗き込むクロム
横目で見ると心底驚いてんのが伺える

初めて見るやつは驚くだろうな

「何だこいつ…なんか…なんて言ったらいいのかわんかんねーけどよ…花みてぇだな」

触ったらなんか壊れそうだ。なんて言っときながらツンツン頬をつつくクロム

花みてぇ…か

「ククク…だとよA」