僕なんか好きじゃない君の話【橙】

.【橙】 ページ25

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「えっ？って何？
だから、そういう意味だって。
まるちゃんには、幸せになって欲しいし」








なんか照れちゃうなーなんて言いながら、Aちゃんはお店の準備に戻った。



……え？

もしかして、僕の好きやで匂わせが僕の恋路を邪魔してる？

渋谷さん以前の大問題……？








せやったら！！

つまり、自分が隣に居てたら、僕の為にならへんから、渋谷さんのこと好きになってる節もあるってことやろ？

匂わせてたのに全く気づいてへんねやろ？

これは！もしかしてがあるんと違う？？




いや、ちょっと待て。

僕の幸せは、僕のこと、Aちゃんが好きになってくれることやけど、Aちゃんの思うてる僕の幸せはそれとイコールとちゃうねんもんな…。



大人しく引き下がるには、今までの年月は長すぎるし、でも、僕は戦力外やし。



なんだかこの片思いの重大さが急に身に沁みてしまって、この日はずっとため息をついてしまった。






君が明るく、朗らかに暮らすために、僕が出来ることってなんやろう。







家に帰ってから、ケータイの液晶に映る
君のアイコンを眺める。


随分前から、その写真は僕と行ったカフェの時のやった。



パフェを前にええ笑顔のAちゃん。

被写体がいいから仕方ないなーなんて言ってたけど、この写真の君の写りがええのは、君を好きで好きでしゃーない僕が、撮ったからと違うかな。







僕は、欲張りやから、君にも愛されたい。





もう、僕は戻れへんねん。

覚悟決める時が来たんや。





そう決意したものの、割とポンコツな僕は、何から始めたらええのかも全く分かれへんかった。





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