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ドラマの撮影も終盤に差し掛かっていた。
季節も少しずつ夏へ、近づいていた。
私のソロは結局、やはり「恋情」になった。
どうやって書いたかも覚えてない恋心を、嘘っぽくなく歌えるくらいには、わたしは演技が得意で。
章ちゃんは、ちっとも教えてくれない。
それで、いいのだ、とも思う。
信ちゃんとも話し合って、私の曖昧な交際相手探しは、一旦休むことに。
居なかった説も濃厚なものを、これ以上掘ることはないだろうという判断だ。
ただ今は、皆と同じステージに立てる少し未来を夢見るだけで胸が張り裂けそうな程、嬉しい。
最近、空白期間が、なんて言えばいいのか、実感として？分かるようになってきたような気がする。
まだ誰にも言っていない。
なにを、だとかそういう具体的なことではない。
ただ、ぼんやり、喪失というものが身近に迫ってきた、というのが正しい。
何かしようと思い立って、立ち上がって、急に忘れてしまって「あれ、私何しようと思ったんやっけ」って思う
その感情が一番近い。
失くしたのは分かるけれど、忘れたのを感じるけれど、何を落とし、何を弔ったのか覚えていない。
そんな歯がゆい感覚だけが、この身を絞める。
皆は、『無理に思い出さへんくてええ』という。
追い詰められていた私は、みんなにどう映って居たのだろう。
きっと醜く、汚くて、『かわいいリリーちゃん』じゃなかったんだろうな。
だからなのか、その頃を頑なに教えてくれないのを分かっている章ちゃんと一緒に居るのは楽だった。
何事もなかったようにつまり、私の覚えている5年前と同じように遊びに連れ出してくれたり、長電話に付き合ってくれる。
真山さんや、丸ちゃん、おーくらさんなんて、問い詰めたらきっと色々吐いてしまう。
あまり、知りたくはなかった。
知ろうと出来るほど、まだ心は強くもない。
よかーまさん始め、あの三人は、絶対に喋らない。
でも私を見て、辛そうに笑う。
分かってしまう。
小さい頃から、作り笑いを続けてきた私には全部。
申し訳なくて、悲しくて……もう私はあまり考えないようにしている。
今が幸せならいいや。
律が立派にお勤めして
メンバーがみんな側にいてくれて
真山さんも横にいてくれて
ドームツアーとかも出来たりして。
過去や、まして色恋なんてな。
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ゆうみ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。ラストまでもう少し、お付き合いください！ (2020年1月20日 11時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！まさか…章ちゃんではない可能性が…？！ハラハラドキドキしながら続きを楽しみにしています。 (2020年1月19日 5時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 初めまして。どの作品も読ませて頂いてます。まさかお相手が章ちゃんだったとは(*/∀＼*) 章ちゃん大好きなので嬉しいです！記憶も戻ってハッピーエンドになりますように。このお話の一話からもう一度読み返します！ (2020年1月8日 19時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年9月27日 5時
