16【青】 ページ26
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「もう居たん？」
「あ、おはよ〜」
楽屋に入るとAちゃんが手中から目を離し、こちらを見て笑った。
「台本？」
「せやねん、」
「楽しみやなあ」
「ほんまそれ。
いろんな人におめでとうって言うてもらってる」
「レンタル彼女みたいな話やろ？」
「うん。彼女やったり、友達とか、お姉さんやったり、お母さんやったり。
お芝居の中で芝居することになるみたい」
「Aちゃんやったら大丈夫やわ」
「ありがとう」
漫画が原作で、なかなかお茶の間の期待も高い。
また、ばりばり女優さんしてくれることが、きちんと時計の針が戻ったみたいで嬉しかった。
シングルも出る。
またAちゃんの歌をみんなに届けられる。
透明な透き通った声。
闇に葬られる前に救い出された、小さな希望。
「おはよう」
眠そうな大倉が入ってくる。
それと一緒に亮ちゃんも来た。
「おーくらさん、早いな」
「珍しく」
「そんなことないやろ」
「ええ？」
「でも良かったなあ、世間的には久々やもん」
「せやんな」
会話の切れ目のタイミングで、申し訳なさそうに亮ちゃんが切り出す。
「A、映画のことやけどさ」
「金曜の夜やろ？忘れてへんで」
「行けへんくなってん！……ほんまごめん！」
「ええ！ほんま？…今度埋め合わせしてな〜」
「する」
「待ってるー」
嫌な予感がしたのか、大倉がぎょっとしたような顔で口を開いた。
Aちゃんと亮ちゃんは、いかにも悪そうな笑い方をした。
「映画って」
「せやで、おーくらさんの」
「二人で見に行くつもりやったん？」
「うん」
「恥ずかし」
「でも、キャンセルになったし……。
あ。一緒に行きますか」
「は」
「ええやんかあー」
「よくないて」
「夜観にいこ」
「誰かに見られたら死ぬし、Aちゃんの反応気になりすぎてやっぱ死ぬ」
完全に後ろ向きな大倉と、行く気まんまんのAちゃん。
僕が「ドラマの参考にもなるかもなあ」と援護射撃をしてみると、大倉が「Aちゃんに教えることなんか、何にも無いわ」とふてくされた。
「しゃーないやん、亮ちゃん行けへんねやもん」
「……分かったって」
御愁傷様です。
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ゆうみ(プロフ) - みきさん» みきさん、コメントありがとうございます。ラストまでもう少し、お付き合いください！ (2020年1月20日 11時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！まさか…章ちゃんではない可能性が…？！ハラハラドキドキしながら続きを楽しみにしています。 (2020年1月19日 5時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 初めまして。どの作品も読ませて頂いてます。まさかお相手が章ちゃんだったとは(*/∀＼*) 章ちゃん大好きなので嬉しいです！記憶も戻ってハッピーエンドになりますように。このお話の一話からもう一度読み返します！ (2020年1月8日 19時) (レス) id: d5b4f7ed9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年9月27日 5時
