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「今回、こうやってメンバーと、お芝居するのも久しぶりですし、それが、ね、にしきどさんとこういう間柄の役って言うのははじめてですし。
後輩とは、また全然違う緊張感というか羞恥感というかですね。」
しどろもどろになりながら喋る、私のマイク越しの声に、客席が笑い声を立てた。
特別披露試写会の壇上に上がった私とどっくんは、何とも幸福な顔を皆さんにお見せしていた。
舞台挨拶は、上映後。
あんな濡れ場を演じたことを、ここにいる全員が知っているなんて、狂気の沙汰である。
あとひと月もしないうちに全国ロードショー……。
本当に信じたくない。
「宮野さんは、企画の初期からこの花霧役は、宮野さんじゃなきゃ嫌って僕が駄々こねて、それが叶った形なんですけどね。
今まで、ご一緒したことなかったので知らなかったんですけど、みやのさん、ホントに切り替えが凄いんです。
今、本人も言ってましたけど特に、にしきどさんとのシーンは何回もリハするのに、顔赤くなっちゃうしカット掛けたら掛けたで、凄い速さでにしきどさんから離れちゃうし。
でも、カメラ回してる間は、何秒見つめ合っても微笑み返せる余裕まで、あるんですよね。
これは、本物だと思いましたよ、やっぱり」
「俺も！感心しましたもん。
あの、予告編とかにも入ってるけど、Aほら、」
「ん？」
「涙がツーってなるとこあるやん」
「ああ〜」
「あれ、完全にアドリブですから」
「僕、指示出してません」
あの時は自分に同情して泣いた。
誉めてもらうに値するかは、分からない。
それに満たされた今、あの演技は出来ない。
でも演技としては、滅茶苦茶恥ずかしかったし、文句も色々言ってたけど、現場にメンバーが居てくれると、急にホームになった感じがして、やりやすかった。
今だって安心して、マイクを握れている。
家には、また違う安心がある。
「あ、今日もちゃんと帰ってきた」っていう安心。
全然慣れない。
りかさんが、毎日私のところへ帰ってくることが嬉しい。
あの人は気まぐれが、私をいつも不安にさせる。
だけど、好きになっちゃってるんだから、仕方がない。
「A、あのさ」
呼び捨ての名前にも喜びを感じる。
「ん？」
「おしゃれしてさ、ちょっと良いご飯食べ行こっか」
「え、行きたい」
「何が良い？ フレンチ、それともイタリアン」
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ゆうみ(プロフ) - まーさんさん» 本当にありがとうございます！私もすごくお気に入りで自分でもたまに読み返します笑。最近あまり更新できなかったのでこれから少し頑張るつもりです。ぜひ読んでもらえればと思います。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: b00a6f057e (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - はしめまして。この小説の全てが好みすぎて初めてコメントしました……！月並みな言葉しか書けませんがとにかく好きです！ってことを伝えたくて、、！ゆうみさんの小説全て好みなのでこれからも無理のない程度での更新楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 19時) (レス) id: 880f5c4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月18日 9時
