62【翠・青】 ページ18
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そもそもAちゃんの認識としては、身体だけのつもりだった訳だから、ただの「大好きなお兄ちゃんたち」に戻っただけなのかも。
Aちゃんは、ホントに綺麗になった。
新しい個人の仕事も増えたし、演技も更に上手くなった。
初めて春を知った小動物みたいに、きらきらしながら、芸能界という泥沼を、滑るように泳いでいる。
私は皮肉なこの現実を、嘆くしかなかった。
Aちゃんと会う機会も、ぐっと減った。
「あの人」で忙しいのは勿論『恋人』の一人・おーくらも切ったことで、私のマンションに来る必要が無くなったからだ。
それに、私もAちゃんのマンションに行かなくなった。
私も、彼氏と別れたから。
Aちゃんは「あの人」のマンションで、同居を始め、私も引っ越した。
全てが、急速に終わっていった。
たかが四ヶ月だけど、私達という関係も、大きく変わったことのひとつなのだ。
住む所の問題だけじゃない。
私は……いや、私も、他の人と同じくAちゃんのことが大好きだ。
でも、「あの人」を好きなAちゃんは大嫌い。
見てて、こちらの胸が押し潰されそうになるほど、辛くて可哀想で、馬鹿馬鹿しくて、愚かだから。
全部、変わってしまった。
………
空白の四ヶ月について。
安田さんのはなし
なんてことはない、日常やった。
ごくごく普通の、傍から見れば何も変われへん日常。
でもそれは、僕らにとって初めて訪れた「普通の日常」やった。
Aちゃんは僕との全てを消して、さっさと次のステージへと駆け上がってしまった。
もちろん例外なく分け隔てなしに、この僕にもそのまま接してきた。
僕にとって、君が恋人であることは長らく当たり前で、精神安定の為にも欠かせないものやったから、それが消え去った今、Aちゃんのように「いつもと同じ」を続けることは、なかなか難しかった。
それは周りに気付かれないのは、最重要やけど上手く対応出来てたのかは、正直分からない。
いつも、頭のどこかの線が焼き切れそうになりながら、僕らは仕事の度に、顔を合わせては笑い合い、会話した。
身体の関係が消えても、二人は「一人」やったから。
そういう絶対的な信頼が僕の肩に載っていることは、嫌でも感じた。
その信用が、嬉しくて嬉しくて、耐えられなかった。
僕だけが「彼女やったAちゃん」にいつまでも縛り付けられて。
どうして君が藤峰さんに執着するのか意味がわからない。
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ゆうみ(プロフ) - まーさんさん» 本当にありがとうございます！私もすごくお気に入りで自分でもたまに読み返します笑。最近あまり更新できなかったのでこれから少し頑張るつもりです。ぜひ読んでもらえればと思います。 (2019年10月25日 23時) (
レス) id: b00a6f057e (このIDを非表示/違反報告)
まーさん(プロフ) - はしめまして。この小説の全てが好みすぎて初めてコメントしました……！月並みな言葉しか書けませんがとにかく好きです！ってことを伝えたくて、、！ゆうみさんの小説全て好みなのでこれからも無理のない程度での更新楽しみにしてます！！ (2019年10月20日 19時) (レス) id: 880f5c4f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月18日 9時
