3.翠ちゃんと、章ちゃん ページ32
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.翠ちゃんと、章ちゃん
翠ちゃんは、ちまちま
事の次第を喋る私に、
何度も、祝福を述べた。
「よかったじゃ〜ん」
「よかったです」
「良いことは続くね〜」
「ほんまです」
「まあこれ以上、破天荒リスト長くしてもねえ」
「破天荒リストって？」
「そりゃ、あんたの
迷走行動シリーズでしょ。
他人笑わすために、寒ーい川に入って
一人遊園地して、ブラック企業に潜り込んで
事故物件に住んで、体調崩して、そういうやつ。
あんたなら、花火断りかねないし、
なんだったら結婚式しましたー！
くらい言っちゃうでしょ？
面白いからとか言って」
「私は…そこまでに見えますか」
「見えますう」
「うわあ」
「え、デート何年ぶり？」
「2年」
「は〜〜、酷いね」
「やからほんまに嬉しいんです。
別になんてことない
職場の人との交流やとしても、
私が隣で歩いてても恥ずかしない
って思われたってことが」
「拗らせてる〜」
「そりゃあ、拗らせますって。」
正直、翠ちゃんの言うように断りそうやった。
やって、冗談やったら、
ほんまに乗っかった私が惨めやんか。
しかもそれを返事するギリギリまで
考えあぐねていたせいで、
小悪魔みたいな態度をとってしまった……。
あれは、その、焦らしとか
そういうこととちゃうんです。
すぐ返事して、自分の価値下がったら
嫌やなあみたいな
そんな駆け引きと違うんです。
私、そもそも普通に後輩ですし。
予定もガラ空きでしたし。
「ど？で、付き合えそう？？」
「………ええ！？？
それとこれとは話が」
「だって向こうから誘ってきたんでしょ？
そういうことでしょ〜」
「無理やって、そんなん。
職場でも私、本社から来た、
まあまあヤバい奴認定なんやで？
ばり喋るし、なんかもうこんな感じやし
周りの女の子たちより
めちゃくちゃ劣った見た目やし
あの子らみたいにキラキラしてへんし
ご飯の写真とか撮らへんし、」
「でも、いいじゃん期待したって。
綺麗にして花火見てきなよ。
秋だからね、防寒してって。あ、浴衣？」
「いやいや重いでしょ、」
「その人によるよ。え？どんな人？」
「優しくて、面白くて、
ちょっとポンコツで、
テンパリストで、でも
普通に格好いい感じの」
「イメージ、1ミリも湧かないんだけど」
「うん、私も今言うてそう思う」
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
