7.合コンの現実 ページ25
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.合コンの現実
遅れてやってきた男性陣の中に
その人は居た。
「……え」
「あ、」
知り合い〜？え〜A紹介してよお〜、
という友達の声が、遠くに感じる。
「………なんでいるんですか錦戸さん」
「…Aちゃんのヤツと
同じやと思わへんかってんもん」
「……だめやないですか来ちゃ」
「……ええやん」
「…居ますよね、か」
「…もう今日はそのことは言わんといて！
楽しく飲ませてえな…な？」
向かいに座った錦戸さんは、そこまで
こそこそと言うと、すぐに会話に戻った。
……居ますよね、彼女。
私には、一人の彼氏も居らへんのに。
贅沢言うなし。
CAの彼女なんて最高と違う？
そもそも。
この人に、ここからの合コン、
全部見られるってこと？
……ほんま最悪。
――結局、完全ににやにやしてる
錦戸さんに見られながら
自己紹介をし、男の人たちと会話をした。
結果は全滅。
かかってこないであろう連絡先を教えられ
トイレに立つ度に
錦戸さんと取り持ってくれと頼まれただけ。
ほんまに人数合わせやったんやな。
友達に誘われるたびに出掛けてはみているけど
誰とも付き合うまで行ったことないし
その非成功体験を積み重ねるうちに
どんどん「自分の不必要さ」を
改めて認識させられる。
仕事は好きやし得意やけどそれ一本で
頑張ろうと思えるほど、割り切れてないし。
二次会に誘われたけど
忠兄が起きてるうちに帰ろう。
作り笑いを貼り付けて
皆に手を振り、駅へ向かう。
その時。
「Aちゃん、次行かへんの？」
「うわ、錦戸さん」
「うわってなんやねん」
「錦戸さんこそ行かないんですか？
女の子たち皆喜ぶと思いますよ」
「そりゃそうやろうけどさあ」
「分かってはるんですね」
「やってさ、Aちゃんが
しょぼしょぼ帰んねやもん」
「え、いや、別にしょぼしょぼはしてません」
「めそめそかも」
「してません」
「俺そういうの敏感やねん。
やから、しゃーない、慰めたったろ思うて」
「………」
………これはモテるな……。
どんな時代も、女は「気づいてくれる」に弱い。
気づいてくれへん人が、圧倒的大多数やし。
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ゆうみ(プロフ) - りずさん» ありがとうございます！私のイメージがかなりバレるお話かなあと思っています笑 (2019年9月29日 22時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
りず(プロフ) - この話好きです！！不器用で、でも一生懸命な丸ちゃんが可愛すぎて。ヒロインちゃんの背中を押してくれるすばるくんも、素敵。 (2019年9月29日 10時) (レス) id: 8a21356a9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年8月10日 9時
