�Χ�がる笑顔くれる君だけど【緑】 ページ10
.
無事洗濯物を干し終わり、「紅茶でも淹れるわ〜」とAちゃんが言うので(絶対自分が飲みたいだけ)手え洗おうと思うて洗面所を借りようと立ち上がると、俺は今まで気づかんかった、あるものを発見した。
そこには控えめな鏡台があって、並べられた香水の隣に、いつか俺があげたピアスが、台紙に付いたまま、ちょこんと立てかけられていた。
荒れた、とんでもない状況の部屋の中で、ここだけは綺麗やったのに、目に入らへんかった。
後ろからAちゃんがこう言う。
「そこだけは特等席やねん。
ごめんな、折角もらったのに、まだ一回も着けてへんくて。
勿体ないんやもん。
それにおーくらさんに貰うたから、おーくらさんとお出かけする時にはじめて付けようと思うてん」
「なんか、最高にいじらしいわ…」
「え？よう分からんけど良かったわ。飲む？」
「飲む〜。あ、じゃ今着けてよ」
「ええで〜」
そのピアスは光を受けて、きらきら乱反射し、伸ばし始めた髪と一緒に揺れた。
この子とは、ずっと長い事一緒に居って
どんな食べ物が好きか、
どんな音楽が好きか、
どんな声で笑うか、
全部知ってるのに、一番奥底の部分は、一度やってちゃんと掴めたことはない。
この子はどんな人に、どんな風に、
どんな愛の言葉を伝えるんやろう。
それはとびきりの笑顔やったのか
海みたく静かやったのか
目も合わせられへんくらいやったのか
俺は何にも知らへん。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「紅一点」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうみ(プロフ) - まりあさん» きゃー！！！恥ずかしい！！！！ありがとうございます！！！！！！うわーーー！！！！ (2019年8月10日 19時) (
レス) id: 23afaa0b1c (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - おでこはなほっぺにラブパワーって、kicyu じゃないんですか？？笑 (2019年5月15日 7時) (レス) id: e635379e6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月15日 21時
