��俺の好みのYouとYou【橙】 ページ21
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橙Side
女の子解禁宣言から数日後。
ついに舞台「おしゃれ泥棒」の稽古が始まることになった。
周りの役者さんたちは有名な人ばっかりで僕はかなり緊張していた。
(というか普通に早く来過ぎて、時間があるぶん更に緊張した。)
ま、大丈夫。僕にはAちゃんおるし。
Aちゃんが稽古場にやって来ると、Aちゃんは素早く僕に目配せして、口を「おはよ」とだけ動かした。
そして2人で、演出家の先生やプロデューサーさん、共演者の人たちに、順繰りに挨拶していく。
どの人も宮野さんとできて嬉しいと言う。
よくAちゃんは「私何にもでけへんもん」なんて言うけど、この人ほど何でも出来る人は居ないんと違うかな。
いわゆる、役者本人の性格ありきな役ばかりじゃなくて、幅広くオファーが来てる。
それに人当たりもよくて台本覚えもちゃんとしてくるし、何より女の人の支持がある。
Aちゃんが褒められてると、いつも僕が褒められてるみたいな気持ちになる。
でも、あれ？
解禁、したんやったよな？
好きやで、女の子ウケのイケメンAも。
でもなんでいつも通りなん？
今回はあのオードリー・ヘップバーンの有名な(何回も原作映画で確認済)フェミニンな役やん。
今日までに皆衣装合わせは終わってて、全体へ改めて先生方やスタッフさんの紹介や話があって、各自己紹介して。
もう少人数での台本読みは何回かしてる。
(僕は標準語への矯正を滅茶苦茶されてちょっと凹んだけどAちゃんのイントネーションは完璧やって、それでまた凹んだ)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月11日 16時
