��どうしようもないバカ【青】 ページ17
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青Side
随分長いことご飯に行ってなかったからAちゃんを誘うてみたら
「ええの？！今日は何かヤケやけど私！」
と噛み付くように返された。
どゆことやろ？
Aちゃんはたまに、こうなるからあれやけど、まあ噛み付いてるうちは、まだ元気やから大丈夫。
「あれ、ミナちゃんは？」
「まだ居るけど」
「え、会いたいわ」
「それはあかん！
ミナに聞かれながらなんて何もでけへん」
……何するつもりなんやろ？
よく聞けば今日のミナちゃんは東京の友達と遊んでるらしいので、来られへんかったらしいねんけど、ともかく怪しい。
………
お店に着くと、先に仕事の終わったらしいAちゃんが、やけに思い詰めた顔で座っていた。
武士みたいな顔やった。
「章ちゃん。」
「なに？」
「私、章ちゃんに言わなきゃあかんことがあって」
「どーしたの」
「誰にも言ったらあかんで。あと一回しか言わへん。」
「…？」
「私……ピアス右も開けることにしてん」
いやいや、……え？
ちょっとドキドキした気持ちを返してほしい。
ピアス開けるんはもちろんAちゃんの好きなようにすることやし、え？
「Aちゃん、あの、ごめんやけど」
「わかる！
章ちゃんの戸惑い！わかる！
でもこれ風が吹けば桶屋が儲かる、やから！！」
「…説明、してくれる？」
「えーっとまず、私今までの人生でな、あのお、誰とも付き合ったこと、ないねん」
………おっと？
「てゆーかな、綺麗なんよ。
子どもなんよ、オトナになってないんよ」
「Aちゃんそれって…」
「言いたいことは分かるけどちょっと待って。
その多分想像してるやつで、大丈夫やで。
それどころか、お芝居以外でキスもしたことない。
手もつないだことない。
メンバー以外の人とサシでお出かけもしたことない。
偉い人とご飯はあるけど、二人きりはない」
これは……
「あの…分かるで。ドン引きよな。
私もそう思うててん。
それを改めてミラクルミナに指摘されて、それで考えたんやけど、今まで左しか空いとらんかったピアス右も開けて、色々取り戻そうって、そう思うてんねん」
Aちゃんは、僕の顔色を伺うようにこちらを見た。
「ごめん。こんなこと、話して。
でも章ちゃんしか話されへんねん」
俯いた、睫毛。
やっぱりAちゃんは…。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月11日 16時
