（5）初めて歩いた娘【紫】 ページ16
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紫Side
ほんまに、式が始まるんか。
それすら俺らには、曖昧に感じた。
いわゆる地味婚とか言うやつなんやろう
一クラス程度の少ない招待客に、俺らは入っていた。
というか、親、兄弟、俺ら、位の順番であることと
俺たちは自負している。
まず、あの卒コンの翌日の元日には、家に例の夫妻からの年賀状が届いていた。
正直なところ、良う見る感じというか、ドラマか何かのPRみたいやなというのがほんまの感想。
でもそれもしゃーないとは思うで？
ほんまに何にもなかった二人が突然、アレの一言で、ここまで進んでもうてんねやで？
やからどことなく半信半疑というか。
お似合いではあると思うねん。
バランスが取れてる。
でもその相性のよさっちゅーのは、ユニット的な部分が大きいような気がしてた。
式場に集まったほぼ全員と顔見知りという、異様な(？)空間で、俺たちは色々戸惑っていた。
まず、ヨコは誰より緊張していた。
多分当の花嫁より、そわそわと落ち着かなさそうにしていたのでどついておいた。
すばるは
「あいつホンマもんのヴァージンロード歩くんやなあ」
とにニヤッとし、
それがツボに入り、堪えきれずに忍び笑いし続ける亮。
しかしそれも耳に入らないほど元気のない丸。
対照的にいつもより変に明るく、参列客に挨拶して回るヤス。
みやが入ってきた時、会場は少しざわめいた。
久々に見るみやは随分明るい顔をしていた。
重圧から開放されたような、それだけでも辞めたことのメリットやろう。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月26日 23時
