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「なあ、セーラ！」
やかましい。
ホントにこっちはやかましい。
さっきまで、つめたいシーツに哀しみを埋めて
あの子達の白い肌を、撫でていたのが嘘みたい。
「セーラ、はよ食うてまえ、冷めるぞ」
マックは私の恩人。
物心つく前から、私を守ってくれた。
ジャッキーと始末屋を始めて、その後、皆が出ていった施設に
ひとり残された私を引き取ってくれた。
書類上では、お父さんってことになんねやろうけど、
私にとっては、この世の全てを教えてくれた、大事な兄貴。
「……どした、セーラ」
いつも素っ気なくて私に興味の無さそうなアーセナル。
でも始末屋としての仕事は全部、この人に習った。
私にサブマシンガンを勧めたのも、
撃ち方を教えたのもアーセナルやし。
何だかんだ期待は、してくれてるんやと思ってる。
信頼してる。
この人は絶対に嘘を言わんから。
「今日はいつもに増して旨いはずやで」
ジャッキーの方がお父さんっぽいかもなあ。
話を聴いてあげることが好きになったんは
この人が小さい私の話を、真剣に聞いてくれたからやと思う。
トッポやジョニーみたく、私もジャッキーに救われた一人。
感謝してもしきれん。
「要らんなら貰っちゃうでえ」
私のバカみたいな妄想癖を、一個一個笑わずに肯定してくれたガム。
私が本当は大金持ちの子供なんかじゃなくて
未成年カップルの最低な火遊びで生まれたって分かったあとも、ガムだけは、
「セーラの信じる方が真実だ」
って言い続けてくれた。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2019年3月20日 17時
