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駒場先生から母の事を聞いてからは
まるで色がなくなったかのように周りが褪せて見えた
親戚達はこぞって遺産にたかろうとし
遂には関わりを断つために進学先を変えた
家も郊外にあるので親戚とは一切関わりがない
そして現在
私は中学校に上がった
成績は首席で入学式挨拶をする事になり、名前を呼ばれ壇上に上がる
大きな学校で一学年に400人ほど集まるこの学校は中々の壮観だった
「春の暖かな日差しが…」
書面の書いてある文章を淡々と読み上げる
目は自分のクラスや学年に滑らせる
ふと黒髪の中に綺麗な金を見つけた
口はそのままに目はその子を見た
新1年生として並んでいる彼はよく見れば童顔でタレ目だ
肌は浅黒く、目は青さらに短い金髪
外人かと思ったが隣の猫目のこと話しているところから見ると日本語が流暢すぎる
根っからの日本人なのだろう
わちゃわちゃ2人は話していたが、不意に金髪の子が突っかかるように見えた
それはハウスの子供達の喧嘩の始まりによく似ていた
「…新入生代表、神誓A」
最後の言葉を強調するように言うと、声色が変わったのに驚いたのか金髪君はこちらを向く
どうやら喧嘩は回避できたらしい
スッと目を伏せ一礼をする
たくさんの拍手に一瞬たじろきつつも壇上を降りた
said 0
「なあ、壇上の子かっこいいな」
中学校の入学式
保育園からの親友のヒロが耳打ちしてきた
女子のような話題だと思いながらも壇上を見る
堂々と挨拶を読み上げる子が目に映った
確かにこの人数の中のあの堂々さは素直に尊敬できる態度ではある
首席を奪われたのは…癪だが
「…確かにな」
「あの子神誓Aっていうらしいな。しかも、同じクラス」
「ふうん」
「…あんまり興味なさそうだな」
眉をひそめた親友に小首を傾げながらいう
「女子なんてみんな同じもんだろ?」
その言葉にヒロは呆れたような困ったような顔をしてから、苦笑した
なんだかバカにされたような気がして口を開けると同時に声が割って入った
「新入生代表、神誓A」
その凛とした声に慌てて壇上に目を向ける
一瞬だけ彼女と目が合った…気がした
彼女はすぐにスッと目を伏せ、一礼した直後割れんばかりの拍手が体育館を満たす
それさえも気に留めないように彼女はゆったりと壇上を降りていった
「…ゼロ?」
ヒロの声でハッと我に帰る
隣を見るとヒロが驚いたように目を丸くして
笑った
「ゼーロー?顔真っ赤だぜ?」
「…!うるさい」
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al8056(プロフ) - この世界ではの話でネグリジュじゃなくてネグリジェだも思います! (2020年6月3日 0時) (レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - ayuさん» ありがとうございます!頑張って更新します!! (2019年5月21日 18時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
ayu - 初コメント失礼します!この作品がすごく面白くて更新楽しみにしてます!応援してます! (2019年5月21日 8時) (レス) id: e1359604fe (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 白桜姫さん» ありがとうございます! (2019年5月21日 7時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - あなたが神か?最高! (2019年5月20日 0時) (レス) id: b2ef42075e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるクラ | 作成日時:2019年5月19日 20時