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ぼんやりと見える白い天井に
医務室か、これまたぼんやりと思う
ムクリと体を起こせばポトリと濡れたタオルが額から落ちた
体が怠いし重いし熱い
この世界に来て初めての風邪だ
さっさと良くならなければ死ぬな、なんて働かない頭で重い体を動かす
少し動くだけで揺れる視界に自嘲が漏れる
なんて軟弱な体なんだ
早くしないとまた1人になってしまう
「…ははっ
ほんっとここに来てから変だなぁ」
嫌な方向に伸びていく思考回路に頭をふる
1人になるなんて、いつものことじゃないか
視界が歪みまた意識を落とした
「お兄、また出かけるの？」
小さな女の子が高校生くらいの青年に駆け寄っていく
青年は柔らかい笑みを浮かべて少女の頭を撫でた
「すぐ帰ってくるよ
お留守番できる？」
「…うん、帰ってきてね」
「ああ、行ってきます」
「いってらっしゃい」
歩いていく背中が歪む
バラバラと崩れていった背中に
この人も亡くなったのか、と私は思う
これが最初で最期の
家族の記憶だ
「A起きろよい」
シャっと引かれたカーテンの音に目を覚ました
馴染みのある声に目を向ける
首を動かせばまたポトリとタオルが落ちた
ぬるい
「一回起きただろ
声かけろよい」
「…ごめん」
「謝ってほしいんじゃねぇよい」
苦笑して頭を撫でるマルコの手が冷たくて気持ちいい
「熱上がったな
一応晩飯だ。食える分だけ食えよい」
置かれたお粥に少し口をつけた
「…味しない」
「喉に炎症があんだ、当然だろい」
苦笑しながらいうマルコにまた兄が重なった
小さな私が心に叫んだ
辛い、悲しい、怖い、恐い、寂しい
「…もう寝ろよい」
黙り込んだ私にマルコが頭を撫でながら言う
ぐるぐると回る思考をそのままにベットに倒れこんだ
隣を見ればマルコが食器を片付けていた
カチャカチャと食器がなる中、ゆっくりと口を開いた
「…兄が、いたの」
ピタリ、とマルコの動きが止まりこちらを見た
それに構わず言葉を続ける
「たった1人の家族で…幼い、ながらに頑張って、たと思う
でも、私を置いて、逝ってしまった……」
自分でも何を言っているか分からなくなってきた
脳に霧がかかっているようだ
「あっちで、よく忌み子って言われ、てたんだ
周、りの、人が、よく逝って、しまうから…」
咳をしながら少しずつ言葉を紡ぐ
徐々に意識が沈んでいく
瞼が重く雫が溜まっていく
また眠るのだろうか
「ひとり、は
いや、だなぁ」
掠れた自分の声に意識を落とした
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アイリス(プロフ) - コリーさん» こんにちは！そうでしたね！ご指摘ありがとうございます！ (2019年9月23日 21時) (
レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
コリー - くるクラさん» 初めまして！！コリーです！！ちなみにモモンガの一人称は私です！１ (2019年8月17日 19時) (レス) id: 3f85b3967d (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 幸別愛友さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！頑張ります (2019年7月18日 22時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
幸別愛友 - 最っ高ー！もう最高としか言いようがない！面白い！続きすごく楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2019年7月18日 21時) (レス) id: 978af02bfc (このIDを非表示/違反報告)
くるクラ(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。そう言っていただいてもう歓喜です！！小躍りしそうなくらいには嬉しいです！今後もどうかご贔屓に！ (2019年7月16日 21時) (レス) id: 7e8dc5ebed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるクラ | 作成日時：2019年7月16日 7時
