【3年A組】Espoir 2 - 卒業 - (ページ38)

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087話ページ38

柳本「はい…」

みんな使いどころに迷ってるけど、

そのタイミングは必ず来る。

解放までの期間だけじゃなく、この先も。

瀬尾「ふふ…なんだよ、それ。意味分かんねぇ、なぁ？」

茅野「『グッ、クルッ、パッ』」

先生の真似をしながら笑い合う私とさくらを

引き気味に見る瀬尾君。

でも、よかった。武智の件でどちゃくそヘコんでるかと思ったけど、

キレイに笑ってる。

柊「さぁ、第二部もクライマックスだ。Let`s think」

『よーし、絵描きに行こうかな』

茅野「何描くの？」

『んー……内緒！』

私は準備室で薬を飲んでから絵を描き始める。

さくらと澪奈は…もう描いたしなぁ

柊「なに描くの？」

『んー、海？教室…校庭、美術室？』

柊「描きたいもの多いな」

『私のヒーロー描こうかな』

PCのモニターを見る先生と背中合わせになって描いている。

柊「教室、行かなくていいのか？」

『んー……、じゃあちょっとだけ』

私が準備室から出ると甲斐君が電話を終えた後だった。

たぶんお母さんかな？

『大丈夫、聞いてないからー』

甲斐「おい、A。何かあるなら言えよ」

『いつから下の名前で呼ぶようになったんだよ。まぁ、しいて言うなら長生きしたいなぁってことくらいかな』

甲斐「お、おう…しんどかったら言えよな」

『ありがとう、隼人』

なんか隼人の顔が赤い気がするけど、

きっと久々にお母さんと電話できて嬉しかったんだろうな。

うんうん、幸せになるんだぞ。

ヒーロー描きたいし、風景も描いておきたいし…

唯月と涼音も描きたいし。

そんなことを考えながら歩いていると須永君にぶつかった。

須永「あ、おい…大丈夫か？」

『鼻うっただけだから、大丈夫』

須永「茅野達ならそこにいるぞ」

『んー、ありがとう』

2人で同時に通ろうとしたので私は壁にぶつかり、須永君は扉にぶつかる。

さっきの鼻うったのより痛い……

宇佐美「何してんの？(笑)」

『須永君もせっかちだったみたい』

須永「どういう意味だよ！てか、写真？撮ろうか？」

河合「おぉ、じゃあお願い！」

私がみんなを見守っているとさくらが私の横に来る。

宇佐美「あれ？何やってんの？早く入りなよ」

『さくら、いっておいで』

魚住「何言ってんの！藤枝さんもだよ！早く早く」

私はさくらに引っ張られて写真に写りこむ。

友達と写真撮るのなんているぶりだろう。