( みんなに話す義務がある、 ) ページ10
( みんなに話す義務がある、 )
your side
「A、」
「はい、」
翔さんに呼ばれて、顔を上げる。
「……卓は、Aの不安も涙も
Aごと背負ってくれるような男やぞ、
俺が保証する。」
「……………」
「Aちゃんはさ、
自分のことで卓に心配かけたくないって思ってるかもしれないけど、
卓はなにも言わずに我慢しちゃうAちゃんのことが心配なんだと思うよ。」
鍵谷さん。
「他の人に気を使いすぎるあまり、自分を犠牲にしはるのは、
Aちゃんの悪い癖やで。
せめて、卓さんにはもっともっとワガママ言うてやって、」
慎吾くん。
「これからは、夫婦になるんだから、
Aの背負ってるもの、全部背負ってもらって、
中島が背負ってるもの、少しだけ背負ってあげな。
大丈夫だよ。中島はそれぐらい器の大きな人間だよ。」
トリさん。
「……Aちゃんは、強がりやけど、
卓さんのまえでは何も強がる必要なんてないねん。
4年前、俺たちも卓さんも何も気づいてあげられへんかった。
彩ちゃんに引け目を感じてたんかもしれへんけど、」
「っ、！！！」
「俺たちの中で、
Aちゃんが彩ちゃんに劣るものなんて、
１つもないねんで。
今も、昔も。
Aちゃんの性格分かってるのに、
苦しんではるの助けられへんくて、ごめんな。
今度、なんかあったら
1番にお兄ちゃんたちに言ったらええから。」
遥輝さん
「………知ってたん、？」
「2人が別れたって聞いた後な、
卓さん抜きでみんなで話したんよ。
Aちゃんの肩のことも、
Aちゃんが安心して話せる環境を作れへんかったんかなって、ことも。
2人が別々の道を選んだことがどうしても、納得できへんくて。
ごめんな、俺たちが弱いばっかりに、」
Aちゃんのこと傷つけてたな、
そう困った顔で笑うはるくん、
「ちが、」
「違わへん、こんな時まで、俺らのこと守ろうとせんで、」
「ちがうの、聞いて、
あの頃の私は、自分に自信がなくて、
勉強も満足にできてなかったし、
卓の近くで
一軍でレギュラーを確立して一流の世界で活躍する卓を見て
いつも自分に引け目を感じてた。
彩さんが来て、それがどんどんプレッシャーになって、
結局、全部卓に背負わせた。
……一度、肩の手術の後、お見舞いに来てくれたの。」
「「「「………………」」」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 436人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃央 | 作成日時：2017年8月13日 16時
