( とか言いつつも ) ページ50
( とか言いつつも )
your side
「……ご挨拶が遅れて申し訳ありません。」
「いいんよ、そんな！婚約しただけなんに笑」
「……………」
「いえ、順序が逆になってしまい、ほんとに申し訳有りません。
Aさんが2回生の頃からお付き合いさせて頂いています。
途中、すれ違いもあり、別々の道を歩んでいた時期もありますが、
Aさんが夢を叶え、日々努力される姿を見て結婚を申し込まさせて頂きました。」
「………………」
「Aさんが、家庭に入りたいと思うまで、
籍を入れるつもりもありませんし、仕事を辞めてもらうつもりもありません。
……Aが、血のにじむ努力をして得た仕事だから、
チームとしての目標、管理栄養士としての目標を達成するまで、
僕のエゴで仕事を辞めさせたくありません。」
「…………………」
「………たく」
「………Aさんと結婚させてください。」
「中島くん、」
「はい」
「正直、この子が君ほどの男を連れてくるなんて思ってなかったんじゃ」
「……………、」
「できた兄がおるせいかね、なかなかパートナーが見つからんのんよ、
学生時代も、家に連れてきたのは紗樹くんだけじゃけぇ。
おてんばで、危なっかしいところもあるけど、
こちらこそ、よろしくお願いします。」
「……はい！」
こんなやりとりがあったのは数時間前。
今はお父さんと盃を交わして2人で話してる。
「………」
「A、ええひと見つけたね、」
「……お母さん、」
「お兄ちゃんよりかっこええひとじゃね。」
「、お兄ちゃんより男らしいんよ、たく」
「うん、あの真っ直ぐな目がすてきじゃね。
覚悟を決めたひとの目じゃ、強い人の目じゃけぇ。」
お母さんが卓をべた褒めするのを見て、
昨日家を出る時の卓を思い出す笑
どうしよ、どうしよ、と慌てて荷造りも手につかなくて、
緊張するって私の手を掴んでくる卓、
そんなこといいながら、私の家に着いたら、
広島弁に動じることなく、真っ直ぐにパパとママに気持ちを伝えてくれた。
少しも、怯んだ様子は見せなくて、
弱々しい声で私の手を握った卓とは大違い笑
《 決めるところはしっかり決める男。 》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 436人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：璃央 | 作成日時：2017年8月13日 16時
