( 自分の道を ) ページ20
中島 side
「たく、」
「ん、」
「たーく、」
「う」
「卓、朝ですよ、」
「ん、知っとる」
「も〜知っちょるんなら起きて！」
「なんじ」
「10:00！」
「うそっ！」
「うそ、」
「も、なんだよ、びっくりさせんで、」
「ほら、たくご飯食べいこ？」
「いま何時なん？」
「8:30」
「ん、食べいこっか」
東京だから、朝早く開いてて、人目につきにくくて、おいしいカフェなんていくらでもある。
テキトーにホテルから近い、女の子が好きそうなカフェに連れてって、
「うわぁ、おいしそう、」
「好きなの食べ、」
「うん！」
「たく、卓は好きなのじゃなくて、ちゃんと栄養考えて食べなきゃダメだよ、」
俺がコーヒーだけ頼むのを見破ったのか、
じろ、と俺を見てくる。
「……だって、朝食べにくいんやもん、」
「だってじゃありません、」
結局、Aが俺の分も頼んでくれて、
好き嫌いとかは知っとるから大丈夫だろうけど、
「朝から、卓と一緒だなんて、夢みたいだな〜」
、そう言えば、北海道にいる頃は北海道では少し有名な俺は出歩けなかったし、
そもそも社会人だと言いつつも普通の人とは変則的な時間で動く俺と、
大学生のAじゃ、なかなか予定が合わなくて、
デートも満足に連れてってあげられんかった。
「写真、撮る？」
「いいの！」
「全然、よかやけど笑」
Aがカメラを構えて、写真を撮る。
「ふふ、トリさんに送っちゃお、」
「じゃあ、俺も遥輝に送っとこ、」
Aと朝飯を摂って、ホテルに戻る。
「たく、忘れ物ない？大丈夫？」
「ん、あったら届けに来て、会いたい。」
「ふふ、まだ一緒にいるのに、会いたいってどういうこと笑」
「Aがうちに来ればいいのに、」
「、ごめんね、タイガース、だいすきなんだ。
やっと、名前も覚えてもらえるようになったし、もうちょっとで信頼してもらえると思うんだ、」
「冗談だから、
Aがタイガースで頑張ってるの知ってるし、
ただ、なかなか会えんけん。」
「2人とも東京にいるときは会えるよ、
連絡して？また一緒に朝ごはん食べよ」
「ん、分かった。」
「ね、卓、ありがとね。
卓が来てくれて、すっごい心強かった笑」
「うん」
「後半戦もがんばるから。
今度は日本シリーズで試合ができるように、」
「うん、また電話するけん」
「待ってるよ！」
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作者名：璃央 | 作成日時：2017年8月13日 16時
