( 暑いからね ) ページ14
your side
あの日、私たちは飲み屋さんでそのまま分かれて、
交流戦の続きを全国各地、いつもとは違う球場で試合してきた。
次が6連戦の後半、最後の対戦カードになる。
みんなも疲れてくる頃だから、一層気を引き締めないと。
「うえぽん、調子大丈夫ですか?」
「ん?大丈夫、」
にこ〜って笑う上本選手はほんとにかわいい。
癒される。
「お水、積極的に摂ってくださいね」
「ありがとう。」
ふ、と拳を出されたので、こん、と手を合わせた。
「Aちゃんっ!」
「はいっ!どうかされましたか?」
「中谷選手、足がつったらしいから、」
「はい、熱中症ですかね、」
「とりあえず、ケアした後裏に下げるから」
「はい、わかりました!Aが対応します。」
特にふくらはぎなんだけど、足がつるっていうのは
水分が足りてない証拠。
熱中症の初期症状でもあるから、
「昨日、飲みに行かれたりしました?」
「ううん、まっすぐ家に帰ったけど、」
「朝は?なにか、違和感とか…夜寝ている間に同じように足がつったとか、」
管理栄養士として、色んな方面から質問をし、メモして行く。
その間にクールダウンをして、少し涼んでもらう。
「…ごめんね、Aちゃんも忙しいのに、」
困ったように眉を下げる中谷選手を見ると、
まだまだ信頼してもらえてないんだな、と感じる。
「……いえ、私の仕事ですから、」
こんな時、笑って冗談の1つも言えない自分に嫌気がさす。
ほら、空気が重くなる、
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作者名:璃央 | 作成日時:2017年8月13日 16時