仕事_135 ページ39
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乱「A、大丈夫だよね？休んだら元気になるよね？」
屋敷に帰り着いた彼らはすぐさまAの看病にあたった｡
何枚もの
薬研「霊力の使いすぎと寒さと、あと瘴気だな…大丈夫だ。なにがなんでも回復させる」
長谷部「お前が言うと説得力があるな」
薬「長谷部も怪我してるだろ。見せてみろ」
堀川「薬研くん、兄弟たち看てきたよ。まだ眠ってるけど顔色は良さそう」
薬「上々だ。あとは…」
そう何かを言いかけて、薬研は黙り込んだ。
乱「…いち兄？呼んでこよっか？」
Aを寝かせた後、一期は何も言わずに出ていってしまったのだ。
薬「いや……今は、いい」
きょとんとする乱たちに苦笑して、うつむいた。
薬「あとで俺が見に行く。……今は多分」
そっとしておくべきなんだ。
＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿ ＿
黄昏の中、一面を覆い尽くす雪の中に、一期はたたずんでいた。
天を覆っていた雲から、はらはらと散る
吹き抜ける風が、一期の頬を撫でて通りすぎていった。
＿＿＿『もう、いい…。…苦しんだりしなくても…、いいんだ……』＿＿＿
彼女の言葉が、脳裏に木霊する。
一期「……」
もし、あの罪が本当に許されるのなら。
生きることが、彼女の傍にいることが許されるのなら。私は。
一期「……五虎退」
私はお前の分も、あの方に仕える。刃生の終わる、その時まで。
一期「…すまない…五虎退……すまない…」
こんな身勝手な兄を、許しておくれ。
一期は眩しさを感じて、目を細めた。
彼の頬につたったしずくが、六花にまぎれて凍てつく花と化した。
お前のことは忘れない。きっと忘れない。
だから。
一期「どうか…おやすみ……」
いつか巡り会える、その時まで。
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骨喰「…、……」
拳を握り締める兄の背に、骨喰は何かを言いかけたが、途中でやめた。
付喪神となってから、
滅多に揺るがない長兄がこうやって肩を震わせる様を見るのは、二度目だった。
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作者名：葛の葉 | 作成日時：2018年12月16日 16時
